犬さんや猫さんで避妊手術をしない場合、よく知られているのは前回までに投稿した子宮蓄膿症や乳腺腫瘍ですが、それ以外にも比較的知られていない疾患やトラブルがあります。それらをご紹介していきます。
目次
偽妊娠・持続発情
発情後に妊娠していないのに妊娠したような状態になります。乳房が張る、乳汁が出るなどの症状の他、おもちゃを子犬や子猫のように世話をしたり、同居の子をなめて世話をするなどの様子が見られます。特に犬さんで多く見られます。
特に治療の必要はなく、数週間~数か月で自然に改善しますが、
- 乳汁が大量に出る
- 乳房をしきりに舐める
- 元気や食欲が低下する
などの症状が見られる時には乳腺炎を併発している場合があるので当院へご相談ください。
膣過形成・膣脱
腟脱とは、腟の粘膜が陰部から外に飛び出してしまう状態です。見た目のインパクトはとてもすごいです。
よく飼い主様から、陰部からピンク色の塊が出ている、陰部に腫瘍ができた、排便で力んだ時に突然飛び出してきた。という理由でご来院されることが多いです。
若齢や未避妊、発情中の犬さんに見られます。
重症な場合ピンク色の組織が陰部から突出が見られ、粘膜が乾燥し、出血や潰瘍が見られます。また、尿道が圧迫されることにより排尿しにくくなることがあります。
どの犬種でもありますが、報告の多い犬種として、ボクサー、ブルドッグ、ドーベルマン、ジャーマンシェパードなどが挙げられます。
治療方法として、脱出した膣が戻せる場合は粘膜の保護と炎症の管理をして経過観察をします。重度な場合は外科的な整復が必要になる場合もあります。
また、腟脱はホルモンの影響で起こるため、再発予防として避妊手術が推奨されることがあります。
子宮平滑筋腫・平滑筋肉腫
子宮の一部にしこりのようにできることがあります。避妊手術をすることで改善されますが、できる箇所によっては手術する際に困難な位置にできることがあります。また、膣にできることもあり、必要に応じて会陰切開をしないと摘出できない場合もあるため注意が必要です。
子宮内膜症
子宮の内膜が厚くなる状態です。無症状のことが多く健康診断などで見つかることが多いのですが、後に感染を起こしやすく、子宮蓄膿症に発展するケースがあります。見つけた際には避妊手術をおすすめします。
子宮水腫・粘液腫
子宮蓄膿症ではないものの、液体や粘液が溜まっている状態です。ここに感染がおきると子宮蓄膿症に発展してしまうため注意が必要です。
卵巣嚢胞、卵巣嚢腫
卵巣に液体の入った袋ができます。発情が長引いてしまったり、頻繁に発情が来たりします。高齢になると見られることが多い傾向があります。
発生は多くないですが、卵巣腫瘍が見られることもあります。
まとめ
避妊手術をしなかった時に起こる病気たちをあげていきました。これらの病気は避妊手術によって予防することができる病気たちです。予防的に避妊手術をすることをおすすめします。また、少しでも状態がおかしいなどいつもと違う症状が見られましたら当院へ一度ご相談ください。

