
“急に体が震え始めた”“手足をバタバタさせて泡を吹いている”
みなさんのお家の動物さんがこのような様子になると、とても驚いてしまいますよね。
発作は様々な病気が原因で起こる症状です。今回は発作が起きた時の対処法や考えられる原因、治療法についてご紹介します。
目次
これって、発作?けいれん?失神?てんかん?
発作に似たような単語として“けいれん”や“失神”、“てんかん”があります。やや煩雑ですが、これらの単語はそれぞれ違う意味を持ちます。
発作とは【突発的な運動・感覚・行動・意識の変化】を指します。
けいれんとは【自分の意思とは関係なく、全身または一部の筋肉が急激に収縮・弛緩を繰り返す運動症状のこと】を指します。
失神とは【脳全体への血流が一時的に低下し、急に意識を失って倒れ込むものの、短時間で自然かつ完全に意識が回復する状態】を指します。
てんかんとは【24時間以上あけて少なくとも2回以上の非誘発性てんかん発作が生じる病態】を指します。
まとめると、発作・けいれん・失神は症状の名前で、てんかんは病気の名前です。
“発作”と“けいれん”、“けいれん発作”は、神経学的な異常としてほとんど同じ意味を持ち、“失神”とは区別されます。
発作の原因
大きく3つの原因に分かれます。
特発性てんかん
MRI検査や血液検査を実施しても異常を認めないが、発作を繰り返してしまう病態です。比較的若齢(1〜6歳程度)で発症することが多いです。
脳の病気
MRI検査で異常がある場合はこちらに該当します。具体的には、脳腫瘍や脳炎、脳梗塞、水頭症などがあります。
全身疾患(代謝性発作)
血液検査に異常がある場合はこちらに該当します。具体的には低血糖や肝臓病、腎臓病、中毒によって発作が起こります。
失神の原因
失神は心臓の病気(不整脈や重度の心臓病)や呼吸器疾患(窒息、低酸素状態)、迷走神経反射時(嘔吐の後など)で起こります。
発作とは違い、失神は力が抜けて倒れ込むような仕草をします。
診断方法
発作が起きた動物さんが来院された場合、まずは血液検査によって代謝性発作の有無を調べます。
また、聴診や心臓のエコー検査、飼い主さんからの発作時の様子によって“失神”ではなかったのかの確認も行います。
代謝性発作や失神が否定された場合、次のステップとして全身麻酔下でのMRI検査に進むかどうか相談となります。
発作が起きたらどうすればいい?
まずは落ち着きましょう。余裕があれば以下のことをしてください。
- 発作が始まった時間を確認する
- 発作の様子を動画で撮影する
- 周囲の家具などをどけて、動物さんの安全を確保する
- 部屋を暗く、静かにする
- 病院で緊急薬をもらっている場合は投与をする
逆にやってはいけないことは次の通りです。
- 口周りを触る
- 無理に抱き上げる
- 水や食べ物をあげる
発作中は本人の意識はありません。むやみに口周りを触ると噛まれてしまう可能性があるので注意しましょう。
こんな時はすぐに病院へ!
次のような場合は緊急性が高いため、すぐに病院へ受診をしましょう。
- 発作が5分以上続く
- 意識が戻らないまま短い発作を繰り返す
- 何かを食べた・飲んだ後に発作が起きた
発作が長く続くと体温が上がり、熱中症になる危険があります。
発作後はぼんやりしたり、徘徊したりといつもと違う行動をすることがあります。これは“発作後症状”といい、数分〜数時間続くことがあります。
発作が止まりいつも通りに戻っても、必ず病院へ受診をしてください。
治療法
発作の治療法は原因によって異なります。
MRI検査で脳に異常がなく、『特発性てんかん』と診断された場合
抗てんかん薬の内服によって発作をコントロールします。
MRI検査で『脳の病気』と診断された場合
脳腫瘍や水頭症であれば外科手術、脳炎であればステロイド剤や免疫抑制剤を使用してコントロールします。
代謝性発作であった場合
原因疾患(腎不全や低血糖など)を治療し、コントロールします。
失神であった場合
心臓病に由来する場合は、心臓の治療を優先します。
まとめ
発作は見ているだけでもとても不安になる症状ですが、落ち着いて対応することが何よりも重要です。
先に述べた“動画を撮る”“時間を測る”“安全を確保する”の3つを意識しましょう。
気になることがあれば、お気軽に当院までご相談ください。
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