

【皮膚科専門診療】星野 友哉 獣医師
【担当科目】皮膚科
皮膚が赤く腫れたり、執拗に舐め壊したり……。そんな症状の裏側に潜んでいるのが「好酸球性肉芽腫群(こうさんきゅうせいにくげしゅぐん)」です。これは特定の病名というより、白血球の一種である「好酸球」が集まって炎症を起こす一連の皮膚疾患の総称です。
疫学:どんな子に多い?
- 猫さん: 圧倒的に多く見られます。年齢や性別を問わず発症しますが、若齢から中年期での発症が目立ちます。
- 犬さん: 猫に比べると稀ですが、シベリアン・ハスキーやキャバリア、ゴールデン・レトリバーなどの特定の犬種で家系的な関与(遺伝的素因)が疑われることがあります。
原因
明確な原因を特定できない「特発性」も多いですが、基本的には「過敏症(アレルギー反応)」が引き金となります。
- 外部寄生虫: ノミ、蚊、ダニなどの刺咬。
- 環境アレルゲン: 花粉、ハウスダストなど。
- 食物アレルギー: 特定のタンパク質への反応。
- 遺伝的素因: 免疫バランスが崩れやすい体質。
症状
猫さんと犬さんで現れ方が異なりますが、代表的なパターンは以下の3つです。
- 無痛性潰瘍(主に猫さん): 上唇が腫れ、削れたように潰瘍化します。見た目は痛々しいですが、本人は意外と平気な顔をしているのが特徴です。
- 好酸球性プラーク(斑): 腹部や太ももに、赤く盛り上がった「島」のような湿疹ができます。非常に強い痒みを伴います。
- 好酸球性肉芽腫: 線状に盛り上がる(線状肉芽腫)ことが多く、顎の腫れや口の中にデキモノとして現れることもあります。
診断
見た目だけで判断せず、以下のステップを踏みます。
- 細胞診: 病変部をスライドガラスに押し付け、顕微鏡で「好酸球」が多数存在することを確認します。
- 除外診断: 真菌(カビ)感染や細菌感染、腫瘍(肥満細胞腫など)と見た目が似ているため、これらを検査で除外します。
- 生検(組織検査): 症状が重い場合や診断に迷う場合は、組織の一部を切り取って病理検査に出します。
治療
「炎症を抑えること」と「原因を絶つこと」の両輪で進めます。
|
治療法 |
内容 |
|
ステロイド療法 |
免疫の暴走を抑える第一選択薬。劇的に改善することが多いです。 |
|
免疫抑制剤 |
シクロスポリンなど、長期管理が必要な場合に使用します。 |
|
抗生剤 |
二次的な細菌感染を伴っている場合に併用します。 |
|
駆虫薬の徹底 |
寄生虫アレルギーを排除するため、通年での予防が必須です。 |
|
食事療法 |
食物アレルギーが疑われる場合、除去食試験を行います。 |
予後
多くのケースで治療によく反応し、一旦は綺麗な皮膚に戻ります。しかし、アレルギー体質が根本にある場合、再発を繰り返すのがこの病気の厄介な点です。お薬を急にやめず、獣医師の指示通りに少しずつ減らしていく(漸減)ことが成功の鍵となります。
予防
完全に防ぐことは難しいですが、リスクを下げることは可能です。
- ノミ・ダニ・蚊の対策: 最も確実で効果的な予防です。
- 皮膚のチェック: 唇の形が変わっていないか、毛並みの下に隠れた赤みがないか、日常的なスキンシップで確認しましょう。
- 低刺激な環境: 掃除をこまめに行い、環境アレルゲンを減らします。
まとめ
「ただの湿疹」と思って放置すると、病変が広がり、治癒まで時間がかかってしまいます。特に猫さんの「唇の腫れ」や「太ももの執拗な舐め」に気づいたら、早めに動物病院を受診してくださいね。
ハグウェル動物総合病院 横浜鶴ヶ峰院の体制
【皮膚科 セカンドオピニオン外来のご案内】
2026年5月1日より、30分枠でのご予約になりますが、診察時間を拡大いたします。
- 曜日:毎週 月曜日・木曜日
- 診療時間:10:00〜13:00、15:00〜18:00
ハグウェル動物総合病院では、皮膚疾患にお悩みの動物さんとご家族のために、皮膚科専門診療(担当:星野友哉獣医師)によるセカンドオピニオン外来を設けています。
皮膚疾患は「かゆみ」「脱毛」「赤み」など一見似た症状でも、その原因や進行度によって治療法が大きく異なります。アレルギー、感染症、ホルモン疾患、腫瘍など、複数の要因が関与するケースも少なくありません。
そのため当院では、問診・皮膚検査・細胞診・血液検査を活用し、病態を多角的に評価します。そのうえで、専門的な知見に基づき、現在の治療の見直しや新たな選択肢をご提案いたします。
「なかなか良くならない」
「診断や治療方針に不安がある」
「他の治療選択も知りたい」
このようなお悩みをお持ちの方に、納得と安心を提供することを大切にしています。
また、当院ではトリミング部門と連携し、薬浴やスキンケアまで一貫したサポートが可能です。治療だけでなく、日常管理まで含めた総合的な皮膚ケアをご提案いたします。
大切なご家族にとって最適な選択ができるよう、ぜひ一度ご相談ください。
横浜市から川崎・大和エリアまで、地域の皆さまの“かかりつけ”として、安心の獣医療をお届けします。
ご予約・ご相談はお気軽に!
LINE・お電話(045-442-4370)・受付(動物病院総合受付)にて承ります♪

