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診察時間延長のお知らせ
耳科・皮膚科の診療時間が、午前診療のみでしたが、10/16・11/6・11/20・12/4の4日間、10:00〜18:00に延長することになりました。今後、継続するかどうかは協議中となっております。
診療日は、通常通り第一、三木曜日に変更はありません。
耳・皮膚の病気について
動物病院に来院される症状の中でも、最も多く、そして軽視できないのが「皮膚トラブル」です。
かゆみや赤み、脱毛やフケといった一見“よくある症状”が、実は深刻な病気のサインであることも少なくありません。
強いかゆみで眠れず、掻き壊して血がにじむ。
膿んだ皮膚から細菌感染が全身に広がる。
慢性的な皮膚炎が内臓疾患や腫瘍に隠れている――。
犬さん・猫さんにとって皮膚トラブルは、生活の質を大きく下げるだけでなく、命を脅かす可能性すらある重大な症状なのです。
「ただのかゆみ」と思わず、早めの受診・検査がとても重要です。
当院では 皮膚科専門診療 を設け、丁寧な診断とケアを行っています。
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よくある皮膚の症状とは
- かゆみ・掻き壊し
 - 赤み・ブツブツ
 - 脱毛やフケ
 - 耳のかゆみやにおい
 
これらは アレルギー・感染症・寄生虫・ホルモン異常 など、多岐にわたる原因が隠れています。

犬・猫に多い皮膚疾患一覧
| カテゴリー | 主な病名 | 特徴・症状 | 
 補足 
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 アレルギー性疾患 
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アトピー性皮膚炎 | 慢性的なかゆみ、顔・耳・四肢に好発 | 
 環境アレルゲンが関与 
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| 食物アレルギー | 全身のかゆみ、下痢や嘔吐を伴うことも | 
 若齢でも見られる 
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 感染症 
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細菌性膿皮症 | 膿をもった丘疹、かさぶた | 
 再発性に注意 
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| マラセチア皮膚炎 | 脂っぽいフケ、強いかゆみ、臭い | 耳や指間に多い | |
| 皮膚糸状菌症 | 円形脱毛、かさぶた | 
 人にもうつる(人獣共通感染症) 
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 寄生虫性 
疾患 
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ノミアレルギー性皮膚炎 | 激しいかゆみ、腰背部・尾根部に好発 | 犬猫さんにみられる | 
| 疥癬(ヒゼンダニ症) | 強いかゆみ、耳・肘・腹部に発疹 | 
 感染力が強く、人にも一過性にかゆみを起こす 
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| ミミヒゼンダニ(耳ダニ症) | 耳のかゆみ、黒い耳垢 | ||
| 毛包虫症(ニキビダニ症) | 脱毛、膿皮症様病変 | 
 犬さんで多い。免疫低下時に重症化 
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 内分泌性 
疾患 
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甲状腺機能低下症 | 脱毛、皮膚の乾燥、体重増加 | 犬さんに多い | 
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 副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)  | 
左右対称性の脱毛、皮膚の菲薄化 | 中高齢犬に多い | |
| 糖尿病関連皮膚炎 | 感染を伴いやすい | 
 猫さんで糖尿病が基礎にある場合あり 
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 免疫介在性疾患 
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膿疱性天疱瘡 | 顔・耳・鼻に膿疱や痂皮 | 
 自己免疫性疾患 
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| 円板状エリテマトーデス | 鼻梁部や耳の紅斑、脱毛 | 光線過敏と関与 | |
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 腫瘍性疾患 
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肥満細胞腫 | 赤いしこり、かゆみを伴うことも | 
 犬猫さんともに多い皮膚腫瘍 
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| 皮膚型リンパ腫 | 多発性の紅斑や結節 | 
 犬さんに多い。予後不良なことが多い 
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 その他 
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外傷性皮膚炎 | 傷・舐め壊し | 
 舐性皮膚炎(ホットスポット)として急性に悪化 
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| 角化異常症 | フケ、分厚い角化 | 
 遺伝性や慢性疾患に伴う 
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経験豊富な獣医師が、顕微鏡検査・培養検査・アレルギー検査などを行い、原因を正確に突き止めます。

セカンドオピニオンで多い皮膚症例
| 症例カテゴリー | 具体例 | 飼い主さんが抱えるお悩み | 
 獣医師視点でのポイント 
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 アレルギー性皮膚炎  | 
 ・食物アレルギー ・アトピー性皮膚炎  | 
かゆみが止まらない、フードを変えても改善しない | 
 ・アレルゲン特定 
・環境因子の把握 
・長期管理プラン 
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| 外耳炎の再発 | 
 ・マラセチア性外耳炎 ・細菌性外耳炎  | 
「すぐに再発する」「においが取れない」 | 
 ・耳道の構造 
・慢性化による肉芽形成や狭窄の評価 
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| 難治性皮膚感染症 | 
 ・膿皮症 ・マラセチア性皮膚炎  | 
抗生剤や薬用シャンプーを使っても改善しない | 
 ・耐性菌の有無 
・基礎疾患(ホルモン異常や免疫低下) 
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| 脱毛・発毛異常 | 
 ・ホルモン性脱毛 ・甲状腺機能低下症 ・副腎皮質機能亢進症  | 
見た目が気になる、毛が生えてこない | 
 ・内分泌疾患の除外 
・血液検査の再評価 
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| 猫の皮膚症例 | 
 ・猫の皮膚糸状菌症 ・好酸球性肉芽腫群  | 
かゆみ+しこりや潰瘍が治らない | 
 ・真菌培養 
・病理検査 
・ストレス要因やアレルギー評価 
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| 不明熱・皮膚腫瘤 | 
 ・皮膚リンパ腫 ・血管肉腫 ・肥満細胞腫など  | 
「しこりが大きくなってきた」 | 
 ・皮膚生検 
・画像診断の追加で腫瘍性疾患の鑑別 
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他科との連携による事例
症例1:かゆみと脱毛から見つかった「クッシング症候群」
10歳のトイ・プードルが、かゆみと左右対称の脱毛を主訴に来院しました。皮膚は薄くなり、細菌感染も繰り返していました。
皮膚科での診察から内分泌疾患を疑い、内科と連携してホルモン検査を実施したところ、副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)が判明。ホルモン治療を開始すると、皮膚の状態も徐々に改善していきました。
症例2:慢性外耳炎が続いた末の「外科的治療」
フレンチ・ブルドッグが外耳炎で来院しました。点耳薬で一時的に良くなっても、すぐに再発を繰り返していました。
皮膚科で耳道を詳細に評価したところ、すでに耳道が狭窄し薬が届かない状態。外科に依頼し耳道切除術を行った結果、耳の痛みやかゆみから解放され、生活の質が大きく改善しました。
症例3:治らない膿皮症の背景に「甲状腺機能低下症」
シーズーが皮膚の膿皮症で何度も来院していました。抗生剤を変えても改善せず、皮膚はベタつき、脱毛も進んでいました。
皮膚科で内分泌疾患を疑い血液検査を追加したところ、甲状腺機能低下症が発覚。内科治療でホルモン補充を始めると、皮膚の感染も自然に治まっていきました。
症例4:皮膚のしこりが「肥満細胞腫」だったケース
柴犬が「皮膚にできた赤いしこり」を主訴に来院しました。見た目は単純な皮膚炎にも見えましたが、皮膚科で細胞診を行ったところ腫瘍が疑われました。
腫瘍科と外科に連携し、手術で切除。病理診断で肥満細胞腫と確定しました。早期発見により、予後も良好なケースとなりました。
症例5:猫のかゆみから分かった「皮膚糸状菌症」
若い猫さんが、顔や耳のかゆみ・円形脱毛で来院しました。検査の結果、皮膚糸状菌症(カビの一種)が判明。人や他の動物にも感染する可能性があるため、感染症管理の観点から飼い主さんへの注意喚起を行いました。
内科と連携して全身状態を確認し、抗真菌治療と環境消毒を徹底したことで、猫も飼い主さんも安心して過ごせるようになりました。
飼い主さまへ
皮膚病は「一度治ったように見えても再発する」ことが多いため、継続的なケアがとても大切です。
私たちは動物さんが快適に暮らせるよう、長期的にサポートいたします。
ハグウェル動物総合病院 横浜鶴ヶ峰院の体制
セカンドオピニオン設置
ハグウェル動物総合病院では、皮膚疾患に直面した飼い主様と動物さんに、より良い選択をしていただけるよう セカンドオピニオン外来 を設けています。
難治性の皮膚病を始め、繰り返す痒みや脱毛、さらには慢性的な外耳炎などの対処も行なっております。
また、慢性外耳炎により手術が必要な場合などには、CTなどの高度画像診断を用い的確に把握したうえで、外科治療を行います。セカンドオピニオンを通じて、飼い主様が納得し、安心して治療に臨んでいただけることを第一に考えています。

横浜市から川崎・大和エリアまで、地域の皆さまの“かかりつけ”として、安心の獣医療をお届けします。
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