目次
はじめに
こんにちは、ハグウェル動物総合病院 横浜鶴ヶ峰院で愛玩動物看護師をしております福重です。
「尿検査をしましょう」と言われたとき、
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「人間だけじゃないの?」
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「おしっこで何がわかるの?」
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「どうやって取ればいいの?」
と疑問に思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、犬さんや猫さんの「尿検査」でわかることや、私たち愛玩動物看護師がどのように関わっているかをご紹介します。
なぜ尿検査が大切なの?
尿検査は、体の中の小さなサインを見つける大切な検査です。
人と同じく、犬さんや猫さんもおしっこの状態に健康のヒントが隠れています。
たとえば…
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腎臓の病気
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膀胱炎・尿石症
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糖尿病やホルモンの異常
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感染症・脱水症状
病気の早期発見だけでなく、治療の経過を確認するためにも重要です。
どうやって尿をとるの?
自宅でとる場合
新鮮な尿を採ることがポイントです。
犬さんの場合
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散歩中に紙コップやおたま、柄付きスプーンでキャッチ
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ペットシーツに出た尿を注射器(シリンジ)やスポイトで吸い取る*ペットシーツの裏面シートをご用ください。また、シリンジなどは当院からお渡しいたします。
猫さんの場合
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吸収しないタイプの猫砂に一時的に交換
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トレイにたまった尿をシリンジで吸い取る
※冷蔵保存で数時間は大丈夫ですが、できるだけ早めに持参ください。
病院でとる場合
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自然排尿:タイミングを見て採る
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カテーテル採尿:尿道に細い管を入れて採る(無理のない範囲で)
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膀胱穿刺:お腹に針を刺して直接採る(痛みは最小限に配慮)
採取方法によって得られる情報が変わるため、必要に応じて獣医師が判断します。
尿からわかること
尿検査は、たくさんの項目をチェックしています。
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色・にごり・におい
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赤い → 血尿の可能性
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にごり → 細菌や結晶があるかも
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強いにおい → 感染やケトン体の疑い
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尿比重:尿の濃さをチェック
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薄すぎる → 腎臓の機能低下かも
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濃すぎる → 脱水の可能性
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尿pH:酸性・アルカリ性のバランスを確認
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結石の種類の判断に役立つ
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試験紙チェック(スティック検査)
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蛋白 → 腎臓の異常
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糖 → 糖尿病の可能性
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血液 → 出血の有無
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ケトン体 → 栄養不良や糖尿病性ケトアシドーシス
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顕微鏡検査
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血球(赤血球・白血球)、細菌、結晶、腫瘍細胞の有無など
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ストルバイト結晶
看護師が行っていること
私たち愛玩動物看護師は、以下のような工程を担当しています。
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採尿の補助(安全かつストレスを最小限に)
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試験紙検査・尿比重の測定
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顕微鏡での観察(結晶・細胞・細菌の確認)
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検査結果をまとめ、獣医師に報告
何よりも「動物さんが安心できる雰囲気」を大切にし、やさしい声かけやスキンシップを心がけています。
よくあるご質問(Q&A)
Q:尿の量が少なくても検査できますか?
→ はい。少量でもできる検査がありますが、項目が限られることもあります。
Q:おしっこが取れないときは?
→ 無理せず病院にご相談ください。安全に採尿できる方法をご提案します。
Q:家で採った尿はどのくらい保存できますか?
→ 冷蔵で約4時間が目安です。できるだけ早めにご持参ください。
飼い主様にお願いしたいこと
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採尿時間をメモしてお持ちください
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清潔な容器を使用してください(ペットボトルなどの再利用は避ける)
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朝イチの尿が検査に向いています
また、日常的に
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おしっこの色
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量や回数
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におい
などを観察することで、病気の早期発見につながります。
おわりに
尿検査は「おしっこを見るだけ」と思われがちですが、実はとても奥が深く、健康維持のカギになる検査です。私たちは、言葉を話せない動物さんの小さなサインを見逃さないよう心がけています。
「なんだか気になるな」と思ったら、どうぞお気軽にご相談ください。
飼い主様と一緒に、おうちの子の健康と幸せを守っていけたら嬉しいです。
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