猫さんがストレスを感じているときに出すサインを知っていますか?猫さんは感情豊かで、とても繊細です。言葉では伝えられない分、さりげない仕草や表情でストレスを教えてくれることがあります。
今回は、猫さんがストレスを感じているときに見せるサインや、ストレスについてを深堀してご紹介します♪
目次
ストレスって、どんなもの?
「ストレス」とひとことで言っても、猫さんが感じるストレスには実は2つのタイプがあります。
① 恐怖・不安型ストレス
環境の変化など、外的な刺激に反応して起きるストレスです。
たとえば…
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引っ越しや模様替え
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知らない人の訪問(来客)
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工事や雷などの大きな音
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病院やキャリーバッグへの恐怖
② フラストレーション型ストレス
こちらは、「やりたいのにできない」「望んでいる状況にならない」ことによる欲求不満です。
たとえば…
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お気に入りの場所を急にどかされる
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眠っているのに撫でられる
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トイレが汚れていて使えない
このようなストレスが長引くと、攻撃行動やトイレの失敗、場合によっては食欲低下や脱毛・膀胱炎など、体にまで影響が出ることがあります。
猫さんの「ストレスサイン」とは?
猫さんは言葉では伝えられない代わりに、ボディランゲージで自分の気持ちを表しています。
今回は、「リラックス」「警戒」「極度の恐怖・不安」の3つの状態に分けてご紹介します。
① リラックスしているときのサイン
- 手足を揃えて座る「香箱座り」
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体を横たえ、足を伸ばしてくつろぐ
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目を細める、まばたきがゆっくり
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瞳孔が小さい
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顔つきがやわらかく、ひげが自然に前を向く
これは安心している証拠。この姿が見られる環境を保つことが、健康維持にもつながります。
② 警戒・用心しているときのサイン
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耳が前を向き、音に敏感に反応
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眉間にしわを寄せたような表情
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シッポの先がパタパタと揺れている
この状態が続くと、逃避行動や威嚇につながることもあるため注意が必要です。
③ 極度の恐怖・不安を感じているときのサイン
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シャーッと威嚇、唸り声
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毛を逆立てて体を大きく見せる
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お尻を高く、頭を低くして威嚇ポーズ
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固まって動かなくなる、または急に逃げる
このような状態は猫さんにとって非常に大きなストレスで、放っておくと体調にも悪影響を及ぼします。
飼い主さまにできるストレスケア
猫さんは、「自分のペースで過ごす」ことが安心感につながる動物です。そのため、以下のような配慮がとても大切になります。
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無理に構いすぎず、猫さんのタイミングに合わせて接する
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安心できる隠れ場所や高い場所を用意する
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トイレは清潔に保ち、静かな場所に設置する
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来客時は、猫さんが避難できるスペースを用意
また、最近では「CBD(カンナビジオール)」と呼ばれる、自然由来のリラックス成分を含むサプリメントも登場しています。
猫さんのストレス緩和や落ち着きのサポートとして注目されていますので、ご興味がある方はスタッフまでお気軽にお声がけください
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最後に──「いつもと違う」に気づくことが一番大切
猫さんは体調や心の不調を隠す動物です。そのため、「最近ちょっと様子が変だな?」と感じたときは、病気のサインである可能性も含め、ぜひ一度ご相談ください。
日々の中で猫さんの“サイン”に気づき、そっと寄り添ってあげることが、猫さんとの信頼関係を築く第一歩です。
獣医師としても、そんな飼い主さまの気づきを全力でサポートしていきたいと思っています。
参考文献
・動物看護専門誌「as」2023年5月号 ここに注目!猫のストレスサイン