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【横浜鶴ヶ峰院】生え変わり期のチェックが一生の歯を決める!犬と猫の「乳歯遺残」から大切な歯を守る方法

導入:乳歯遺残ってどんな状態? 

人間の子どもと同じように、犬さんや猫さんも成長にともなって乳歯から永久歯へと生え変わります。通常、生後4〜7ヶ月頃にこの生え変わりが完了しますが、時期を過ぎても乳歯が抜け落ちずに残ってしまうことがあり、これを「乳歯遺残(にゅうしいざん)」と呼びます。

「いずれ自然に抜けるだろう」と放置されがちですが、実はこの小さな乳歯が、将来の噛み合わせの悪化や若齢での重度な歯周病など、お口の大きなトラブルを引き起こす原因となるのです。

疫学:どんな犬猫さんに多いの? 

犬猫さんともに発生しますが、圧倒的に「小型犬」に多く見られるのが特徴です。

チワワ、トイ・プードル、ポメラニアン、ヨークシャー・テリアなどの犬種では非常に高い頻度で発生します。

猫さんや中〜大型犬での発生は比較的珍しいもののゼロではなく、特に「犬歯(牙)」に最も多く見られます。

原因:なぜ乳歯が残ってしまうの? 

正常な生え変わりの過程では、顎の中で育った永久歯が上に伸びてくる際、乳歯の根元を溶かしながら押し出すことで乳歯が抜け落ちます。しかし、永久歯が本来とは少しズレた位置から生えてきたり、顎が小さすぎて永久歯の生えるスペースが足りなかったりすると、乳歯の根元がうまく吸収されず、そのまま残ってしまいます。小型犬に多いのは、この顎の小ささや遺伝的な要因が強く関係していると考えられています。

症状:放置するとどんなトラブルが起きるの? 

乳歯遺残そのものがすぐに強い痛みを引き起こすわけではありませんが、以下の問題の引き金となります。

  • 二枚歯・歯の密集: 同じ場所に乳歯と永久歯が重なって生えてしまいます。
  • 歯垢・歯石の早期付着: 歯と歯の隙間が狭くなるため、食べカスや歯垢が溜まりやすくなり、若齢であっても重度の歯周病を引き起こす原因になります。
  • 咬合異常(噛み合わせの悪さ): 残った乳歯に邪魔をされて永久歯が正しい位置に生えることができず、不正咬合になります。
  • 口腔内の損傷: ズレて生えた永久歯が、上顎の歯肉や上顎の裏側に突き刺さり、痛みや出血、口内炎を引き起こすことがあります。

診断:どうやって見つけるの? 

ご家庭でも、口をめくって歯が重なって生えていないかを見ることで簡単に見つけることができます。動物病院では、ワクチン接種や予防薬処方の際の身体検査で獣医師が視診を行い、診断します。より詳しい状態(乳歯の根がどのくらい深く残っているか、永久歯の根に影響を与えていないかなど)を確認するためには、全身麻酔下での歯科用レントゲン検査が必要です。

治療:どんな処置が必要なの? 

治療法は、残ってしまった乳歯の「抜歯」です。

乳歯は見た目以上に根が深く細いため、途中で折れないように慎重に抜く必要があり、処置には全身麻酔が必須となります。そのため、生後6ヶ月前後で行う「避妊・去勢手術」の際に、麻酔を一度で済ませるために同時に抜歯を行うのが最も一般的な治療スケジュールです。もし避妊・去勢手術を予定していない場合でも、乳歯遺残があれば早めの抜歯処置が推奨されます。

予後:治療した後はどうなるの?

 適切なタイミング(生後7ヶ月頃まで)で抜歯を行えば、ずれて生えかけていた永久歯も自然と正しい位置に移動することが多く、予後は非常に良好です。しかし、放置期間が長くなると、永久歯の位置が悪い状態で完全に固定されてしまったり、若くして抜歯が必要なレベルの歯周病に進行してしまったりと、取り返しのつかないダメージが残るリスクが高まります。

予防:私たちにできることは?

 顎のサイズや生え変わりのメカニズムといった先天的な要素が強いため、飼い主様の努力で乳歯遺残そのものを「一次予防」することは困難です。重要なのは、早期発見・早期治療という「二次予防」です。生後4〜7ヶ月の生え変わりの時期には、毎日のスキンシップの中で積極的にお口の中を観察してください。そして、避妊・去勢手術の事前診察の際には、必ず獣医師に歯の状態もチェックしてもらいましょう。

まとめ:一生の健康は子犬・子猫時代のケアから

 乳歯遺残は、小型犬さんでは非常にポピュラーな症状ですが、決して「放置してよい状態」ではありません。適切な時期に抜歯を行うことで、将来の歯周病リスクや噛み合わせのトラブルを未然に防ぐことができます。愛犬・愛猫の生涯にわたるお口の健康は、子犬・子猫時代のこの時期のケアにかかっています。お口の中に気になる重なりを見つけたら、まずはかかりつけの動物病院へご相談ください。

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