
歯の解剖について
皆さんのおうちの犬さん、猫さんの“歯”をじっくり見たことはありますか?
実は動物さんたちの歯は、ヒトとは形や本数、役割が大きく異なります。
これらの違いを知っておくことで、歯周病や破折などの異常にも気づきやすくなります。
今回は、犬さん、猫さんの歯の解剖について基本からわかりやすく解説していきます。
切歯
切歯とはヒトでいう“前歯”を指します。唇をめくると見える、小さくてかわいい歯です。切歯は犬さん猫さん共通で、上下左右に3本ずつ、合計12本あります。
主にグルーミングの際に、自身の毛や爪をお手入れするために使用しています。
犬歯
犬歯は、ヒトでいう“糸切り歯”にあたる、先端が尖っている歯です。
動物さんたちの犬歯は、ヒトと同様上下左右に1本ずつ、合計4本ありますが、ヒトよりもはるかに長く頑丈にできています。これは獲物をしっかりと捕らえ、引きちぎるためです。
臼歯
犬歯より後ろの歯はすべて臼歯と呼ばれ、さらに細かく“前臼歯”と“後臼歯”に分かれます。
臼歯の本数は犬さんと猫さんで違いがあります。
犬さん
上顎:左右6本ずつ(計12本)
下顎:左右7本ずつ(計14本)
合計で26本あります。
猫さん
上顎:左右4本ずつ(計8本)
下顎:左右3本ずつ(計6本)
合計で14本あります。
臼歯は主に食べ物を噛み切ったり砕いたりする役割を持っています。ヒトのようにすり潰す役割はありません。
ヒトとの違い
私たちヒトは32本の歯をまんべんなく使って食べ物を細かくかみちぎり、飲み込みやすいようにすり潰しています。その一方で、犬さんは42本、猫さんは30本の歯を持っていますが、実際によく使われているのは臼歯の数本のみです。
これらは“裂肉歯(れつにくし)”と呼ばれ、上顎の第4前臼歯、下顎の第1後臼歯を指します。
裂肉歯ははさみのように食べ物を切り裂く役割を持っており、動物さんたちの食事において非常に重要な歯です。
切歯や犬歯は、野生で狩りをしていた時代には重要な役割を担っていましたが、ドライフードが主流となっている現代ではほとんど使用していません。
歯の構造
歯は歯茎を境にして大きく3つの部分に分けられます。
歯冠:目視できる部分
歯根:顎の骨の中にある部分
歯頚部:歯冠と歯根の境目の部分
さらに歯冠部は外側から“エナメル質”、“象牙質”、“歯髄”の3層構造になっています。それぞれの役割は以下の通りです。
エナメル質:歯冠を覆っている体内で最も硬い組織。象牙質や歯髄を守っています。
象牙質:歯の大部分を構成する組織。歯髄を守るクッションの役割もあります。
歯髄:血管、神経、リンパ管に富む組織で、一般的に“歯の神経”と呼ばれる部分です。

これらを踏まえて病気をみると・・・
前述したとおり、動物さんたちは裂肉歯を主に使用しています。そのため、何か硬いものを噛んだ際に破折しやすいのも裂肉歯です。
また、破折しているのがエナメル質や象牙質だけなのか、歯髄まで及んでしまっているのかも治療方針に関わってきます。
さらに、歯周病も使用頻度の高い裂肉歯で起こりやすい傾向があります。
歯磨きでは、磨きやすい切歯や犬歯に目が行きがちですが、裂肉歯を意識して磨いてあげることがとても大切です。
まとめ
動物さんたちの歯は生体や食性を反映した構造になっています。歯の役割や構造を理解することは、歯科疾患の予防や早期発見だけでなく、適切なデンタルケアを行う上でもとても重要です。健康な歯を維持し、快適な生活を送れるよう、日ごろからお口の健康管理を意識していきましょう。
気になる症状がある際は、お気軽にご相談ください。
ご予約・ご相談はお気軽に!
LINE・お電話(048-940-0337)にて承ります♪

