

【専門診療】中津 院長
【担当科目】総合診療科・神経科・腫瘍科
犬猫さんの「耳の中(外耳道)」にできる腫瘍は、外から見えにくく発見が遅れやすい一方で、進行すると強い痛みや生活の質の低下につながる重要な疾患です。外耳炎と似た症状を示すことが多く、「なかなか治らない耳トラブル」の背景に腫瘍が隠れていることもあります。ここでは、獣医師の視点から犬猫さんの外耳道腫瘍について解説します。
目次
外耳道にできる主な腫瘍
耳垢腺腫・耳垢腺癌
外耳道の分泌腺(耳垢腺)から発生する腫瘍で、犬さんでは良性の耳垢腺腫、猫さんでは悪性の耳垢腺癌が比較的多い傾向があります。慢性的な外耳炎がリスク因子とされ、「耳だれ」「悪臭」「出血」「耳を触ると痛がる」といった症状がみられます。
扁平上皮癌
皮膚や粘膜由来の悪性腫瘍で、猫さんに多くみられます。進行すると潰瘍や出血を伴い、局所への浸潤性が非常に強いのが特徴です。外耳炎として治療され続け、発見が遅れるケースもあります。
ポリープ(炎症性ポリープ)
特に猫さんで多く、炎症に関連して発生する良性の増殖性病変です。若齢猫にもみられ、「いびきのような呼吸音」「頭を振る」「耳だれ」などの症状を引き起こします。見た目は腫瘍に似ていますが、性質は異なります。
見逃されやすい理由
外耳道腫瘍は以下の理由で発見が遅れがちです。
- 外から見えない(耳の奥にできる)
- 外耳炎と症状が似ている
- 一時的に治療で症状が軽減する
そのため、「治療しても再発する外耳炎」は腫瘍を疑う重要なサインです。
注意すべき症状
以下のような症状が続く場合は、腫瘍の可能性も考えます。
- 耳だれや悪臭が長期間続く
- 出血や黒い分泌物がある
- 耳を触ると強く嫌がる
- 顔を傾ける(斜頸)
- 口が開けづらい(進行例)
診断と治療
診断
- 耳鏡検査(外耳道の観察)
- 細胞診・組織検査(確定診断)
- CT検査(鼓室や骨への広がり評価)
治療
腫瘍の種類と進行度により選択されます。
- 良性:外科切除またはポリープ摘出
- 悪性:外科切除(外耳道切除や全摘出)+補助療法
特に悪性腫瘍では、外耳道だけでなく中耳・骨へ浸潤するため、早期の外科対応が予後を大きく左右します。
まとめ
犬猫さんの耳の中にできる腫瘍は、外耳炎と見分けがつきにくく、見逃されやすい疾患です。しかし、早期に発見し適切な治療を行うことで、負担を最小限に抑えることが可能です。
「繰り返す外耳炎」「治りが悪い耳トラブル」は、単なる炎症ではない可能性があります。違和感を感じた段階での精査が、動物さんの将来を大きく左右します。
ハグウェル動物総合病院 横浜鶴ヶ峰院の体制
セカンドオピニオン設置
ハグウェル動物総合病院では、腫瘍疾患に直面した飼い主様と動物さんに、より良い選択をしていただけるよう セカンドオピニオン外来 (専門診療の腫瘍科、中津 央貴獣医師)を設けています。
腫瘍は種類や進行度によって治療方法が大きく異なり、外科手術・化学療法・放射線治療・緩和ケアなど多様な選択肢があります。そのため、診断や治療方針について複数の視点から検討することが大切です。
当院ではCTなどの高度画像診断を用い、腫瘍の性質や広がり、転移の有無を的確に把握したうえで、専門的な知見をもとに治療方針をご提案いたします。セカンドオピニオンを通じて、飼い主様が納得し、安心して治療に臨んでいただけることを第一に考えています。
横浜市から川崎・大和エリアまで、地域の皆さまの“かかりつけ”として、安心の獣医療をお届けします。
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