

【専門診療】中津 院長
【担当科目】総合診療科・神経科・腫瘍科
犬猫さんの「鼻腔内のできもの(鼻腔内腫瘤)」は、見逃されやすい一方で進行性の病気も多く、早期発見・早期対応が非常に重要な領域です。獣医師として、原因から検査・治療まで体系的に解説します。
目次
鼻腔内のできものとは?
鼻腔内腫瘤とは、鼻の中(鼻腔や副鼻腔)に発生する異常な組織の増殖を指します。
犬猫さんともに発生しますが、特に中高齢での発生が多いのが特徴です。
大きく分けると以下の2つに分類されます。
・腫瘍性
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良性腫瘍
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悪性腫瘍
・非腫瘍性
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炎症性ポリープ
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真菌感染
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異物反応 など
主な原因・疾患
1)腫瘍性疾患
犬猫さんの鼻腔内腫瘍の多くは悪性です。
代表例:
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腺癌(最も多い)
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扁平上皮癌
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軟骨肉腫
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線維肉腫
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リンパ腫(特に猫)
特徴:
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局所浸潤性が強い
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骨を破壊しながら広がる
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転移は比較的遅いが進行すると予後不良
2)炎症性ポリープ
猫さんに多く見られます。
特徴:
-
中耳や耳管から発生することが多い
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比較的若齢でも発生
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良性だが再発することがある
3)真菌感染(特に犬さん)
代表:アスペルギルス症
特徴:
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鼻腔内で真菌が増殖
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鼻汁・出血・痛みを伴う
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長頭種の犬さんで多い
4)その他
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慢性鼻炎による肉芽形成
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草の種などの異物
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歯根膿瘍の波及
主な症状
初期は「ただの鼻炎」と見分けがつきにくいのがポイントです。
代表的な症状:
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くしゃみの増加
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鼻水(透明〜膿性)
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鼻出血(特に片側性は要注意)
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鼻づまり・呼吸音の変化
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顔の変形(進行例)
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食欲低下・元気消失
特に重要なのは「片側だけに症状が出る場合」腫瘍の可能性が高まります。
診断の流れ
鼻腔内疾患は外から見えないため、段階的な精査が必要です。
① 一般検査
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視診・触診
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血液検査
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鼻汁検査
② 画像検査
非常に重要なステップです。
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レントゲン:簡易評価
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CT検査:必須レベル
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腫瘍の範囲
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骨破壊の有無
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脳への浸潤
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CTは診断と治療方針決定に不可欠です。
③ 内視鏡検査(鼻腔鏡)
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腫瘤の直接観察
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生検(組織採取)が可能
④ 病理検査
確定診断は必ず病理検査で行います。
■ 治療法
原因によって大きく異なります。
1)腫瘍の場合
主な選択肢:
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放射線治療(第一選択)
-
化学療法(リンパ腫など)
-
外科手術(限られたケース)
ポイント:
鼻腔内腫瘍は外科で完全切除が難しいため、放射線治療が中心になります。
2)炎症性ポリープ
-
外科的切除
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根治には中耳側の処置が重要
3)真菌感染
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抗真菌薬(内服・局所)
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麻酔下での洗浄治療
4)その他
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抗生物質
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抗炎症治療
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異物除去
予後
原因によって大きく異なります。
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良性病変:比較的良好
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悪性腫瘍:
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未治療:数ヶ月
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放射線治療:1〜2年程度の延命も可能
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早期発見のポイント
以下の症状があれば早めの受診が重要です。
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片側だけの鼻水や鼻血
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長期間続くくしゃみ
-
抗生剤で改善しない鼻炎
-
顔の腫れや変形
まとめ
鼻腔内のできものは「ただの鼻炎」と誤認されやすい一方で、悪性腫瘍が多い重要疾患です。特に片側性・慢性化している症状は要注意であり、CT検査と病理診断が鍵となります。
早期に適切な検査へ進むことで、治療の選択肢や予後が大きく変わります。気になる症状があれば、できるだけ早く精査を行うことが大切です。
ハグウェル動物総合病院 横浜鶴ヶ峰院の体制
セカンドオピニオン設置
ハグウェル動物総合病院では、腫瘍疾患に直面した飼い主様と動物さんに、より良い選択をしていただけるよう セカンドオピニオン外来 (専門診療の腫瘍科、中津 央貴獣医師)を設けています。
腫瘍は種類や進行度によって治療方法が大きく異なり、外科手術・化学療法・放射線治療・緩和ケアなど多様な選択肢があります。そのため、診断や治療方針について複数の視点から検討することが大切です。
当院ではCTなどの高度画像診断を用い、腫瘍の性質や広がり、転移の有無を的確に把握したうえで、専門的な知見をもとに治療方針をご提案いたします。セカンドオピニオンを通じて、飼い主様が納得し、安心して治療に臨んでいただけることを第一に考えています。
横浜市から川崎・大和エリアまで、地域の皆さまの“かかりつけ”として、安心の獣医療をお届けします。
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