

【専門診療】中津 院長
【担当科目】総合診療科・神経科・腫瘍科
目次
温度差が引き起こす「神経の不調」とは
寒い季節になると、犬さんや猫さんのために暖房をつけるご家庭も多いでしょう。
ですが、「暖房の使い方」次第では、思わぬ健康トラブルを引き起こすことがあります。
特に注意したいのが、“温度差による神経系の不調”です。
冬に多い「神経トラブル」とは?
犬さんや猫さんの神経は、体温や環境温度の変化にとても敏感です。
急激な温度差が生じると、自律神経のバランスが乱れ、以下のような症状を起こすことがあります。
- 手足のふるえ
- 動きがぎこちない(関節や筋肉が固く感じる)
- 眠りが浅く、落ち着かない
- 食欲の低下
- 特に高齢動物では「腰が立たない」「四肢がふらつく」などの症状も
こうした症状の多くは、自律神経の乱れや末梢神経の冷えに関連していると考えられます。
温度差が神経に与える影響
人と違い、犬さんや猫さんは体温を外気温に左右されやすい動物です。
暖房の効いた部屋と廊下・玄関などの冷たい空間との行き来が続くと、
血管の収縮・拡張を繰り返すことで、神経や筋肉への酸素供給が乱れます。
その結果、
- 筋肉のこわばり
- 神経伝達の低下
- 末梢の冷え(特に腰や後ろ足)
といった状態を引き起こすことがあり、
「なんとなく動きが鈍い」「散歩を嫌がる」といった変化に現れます。
暖房環境づくりのポイント
① 室温は一定に保つ(20〜23℃が目安)
急な温度変化を避け、就寝時も冷え込みすぎないようにしましょう。
② 足元の冷え対策を忘れずに
犬さんや猫さんは床に近い位置で生活しています。
床暖房やマットを併用し、体の下から冷えを防ぐことが大切です。また、床暖房による低温火傷になる可能性もあるため、自分で移動できる範囲を確保しましょう。
③ 直風を避ける
エアコンの風が直接当たると、皮膚や眼、気管粘膜の乾燥を招きます。
温風は壁に当てて拡散させるなど、間接的に当たるよう調整しましょう。
④ 日中の軽い運動を取り入れる
軽い散歩や遊びで血流を保つことが、自律神経を整えるポイントです。
注意すべきサインと早期受診
次のようなサインが見られる場合は、神経や循環、関節の異常を疑いましょう。
- 立ち上がるのに時間がかかる
- 片方の足をかばうように歩く
- しっぽを動かさなくなった
- 急に鳴く、触られるのを嫌がる
これらは、椎間板疾患や末梢神経炎、関節炎などの初期症状としても見られます。
暖房による「環境の変化」が引き金になっている場合もあるため、
早めの診察がおすすめです。
まとめ
暖房は快適な冬を過ごすための味方ですが、
「温度差」や「乾燥」が犬さん・猫さんの神経系に負担をかけることがあります。
人よりも床に近く、体が小さい動物さんにとって、“一定のあたたかさ”と“血流の維持”が冬の健康の鍵です。
季節の変わり目こそ、いつもより少し丁寧に、体のサインを見つめてあげましょう。
セカンドオピニオン設置
神経症状に対して迅速な対応を行います。
必要な検査として神経学的検査(反応・歩様など)、血液検査、CT(脳構造評価)、(理想的には)脳波検査、CSF(髄液)検査、MRI検査を実施して、原因を特定し適切な治療を行います。
特に「けいれん」「発作」「失神」などのケースでは、的確な診断が非常に重要です。
また、専門診療の神経科(中津 央貴獣医師)を設けているため、セカンドオピニオン、さらには繰り返すけいれん発作など、治りが悪い症状の受け入れを行っております。
横浜市から川崎・大和エリアまで、地域の皆さまの“かかりつけ”として、安心の獣医療をお届けします。
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