

【専門診療】中津 院長
【担当科目】総合診療科・神経科・腫瘍科
冬になると、「朝起きたら立ち上がれない」「散歩中に足を引きずる」「震えが止まらない」。そんなご相談が増えます。寒さが原因で“関節痛”と思われがちですが、実は神経疾患が隠れていることも少なくありません。
目次
神経トラブルとは?
犬さんの神経疾患は、脳・脊髄・末梢神経のどこに異常があるかで症状が変わります。
冬に目立つのは、寒さによる「血流低下」や「筋緊張」「体温変化」が関係するタイプです。
| 疾患名 | 疾患の特徴 | 冬に症状が悪化しやすい理由 |
| 椎間板ヘルニア | 背中や腰の痛み、後肢麻痺 | 筋肉が冷えて硬くなり、椎間板への負担増加 |
| てんかん発作 | 意識消失・けいれん | 寒暖差・ストレス・自律神経変動による |
| 変性性脊髄症(DM) | 徐々に後肢の力が入らなくなる | 寒さで活動性が低下し、筋力低下が進行 |
| 末梢神経障害 | 足先の感覚鈍化・歩行異常 | 末端の血流が悪化 |
なぜ冬に悪化しやすいの?
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冷えによる血流低下
神経や筋肉は血流が悪くなると酸素や栄養が届かず、動きが悪くなりやすくなります。 -
筋肉のこわばり
寒さで体が縮こまると、背中や腰に負担がかかり、椎間板ヘルニアなどを誘発することがあります。 -
運動量の減少
寒くて動かないことで筋力が落ち、神経の働きが鈍くなります。 -
室内外の温度差
自律神経が乱れ、てんかんや神経発作を引き起こす要因になることもあります。
こんなサインがあったら要注意!
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朝、立ち上がるのに時間がかかる
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歩くときに腰がふらつく・よろける
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抱っこすると痛がる
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尻尾の動きが悪い
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震えが止まらない
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発作のような動きが見られる
- 後足に力が入ってない様子
こうした症状がある場合、早めの診察が大切です。神経疾患は時間との勝負。早期の診断と治療で、回復率が大きく変わります。
ハグウェルでできる神経疾患の検査
当院では、神経科専門の中津獣医師が常駐しており、神経学的検査を細かく行います。上記の症状が見られた場合は必ず神経学的検査を行う必要性があります。なぜなら、障害部位の特定、病態、診断に必要だからなのです。
また、その後に血液検査、レントゲン検査、超音波検査、CT検査・MRI検査を組み合わせることで確定診断となります
ご家庭でできる冬の神経ケア
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暖房で室温を20〜24℃前後に保つ
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フローリングには滑り止めマットを敷く
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短時間でも毎日の軽い運動を続ける
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お風呂や温浴後はしっかり乾かして冷やさない
- お散歩前には軽い準備運動とマッサージ
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関節・神経サポートフードやサプリを活用
などがあります。家でもしっかりと予防を心がけましょう。
まとめ
冬季は、筋肉や血管の収縮によって末梢循環が低下し、手足の筋肉や神経への酸素供給や栄養供給が不十分になる季節です。その結果、椎間板ヘルニアや末梢神経障害、てんかん発作などの神経疾患が悪化・再発しやすくなります。
また、寒さによる筋緊張の亢進(こうしん)や体温変動に伴う自律神経の乱れも、疼痛や神経伝達異常を引き起こす要因となります。特にシニア犬や、既往歴のある犬さんでは、季節変化が直接的に症状を誘発するケースも多く見られます。
冬の神経疾患対策は「痛みの緩和」だけでなく、
・血流維持(温熱管理・マッサージ・適度な運動)
・筋力低下予防(リハビリ・運動療法)
・再発予防(画像診断・神経学的モニタリング)
といった総合的なケアが重要です。
冬は“隠れ神経トラブル”が増える季節。
少しでも「歩き方がおかしい」「動きたがらない」と感じたときは、早期の神経診断を受けることで、予後を大きく改善できる可能性があります。
ハグウェル動物総合病院 横浜鶴ヶ峰院の体制
セカンドオピニオン設置
神経症状に対して迅速な対応を行います。
必要な検査として神経学的検査(反応・歩様など)、血液検査、CT(脳構造評価)、(理想的には)脳波検査、CSF(髄液)検査、MRI検査を実施して、原因を特定し適切な治療を行います。
特に「けいれん」「発作」「失神」などのケースでは、的確な診断が非常に重要です。
また、専門診療の神経科(中津 央貴獣医師)を設けているため、セカンドオピニオン、さらには繰り返すけいれん発作など、治りが悪い症状の受け入れを行っております。
横浜市から川崎・大和エリアまで、地域の皆さまの“かかりつけ”として、安心の獣医療をお届けします。
📢ご予約・ご相談はお気軽に!
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