【腎泌尿器科診療】室 卓志 獣医師
【担当科目】総合診療科・腎泌尿器科・消化器科
秋の訪れとともに、朝晩がぐっと涼しくなり、人も動物さんも過ごしやすい季節になります。しかし実はこの時期、犬さんや猫さんに「膀胱炎」が増えることをご存知でしょうか。
膀胱炎が増える理由
気温が下がると活動量や水分摂取量が減少しやすくなります。その結果、尿の回数が減り、膀胱に長時間尿が溜まってしまうことで細菌が繁殖しやすい環境が整います。特に猫さんはもともと水をあまり飲まない習性があるため、この季節は注意が必要です。
膀胱炎の分類
膀胱炎といっても原因や背景によりいくつかに分けられます。
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細菌性膀胱炎:尿路に細菌が侵入・繁殖することで発症。犬さんで多く見られます。
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特発性膀胱炎:原因が明確に特定できない膀胱炎。猫さん、とくに若い成猫で多くみられ、ストレスや環境変化が関与していると考えられています。
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結石性膀胱炎:膀胱や尿道に結石(ストルバイトやシュウ酸カルシウムなど)が形成され、粘膜を刺激して炎症や出血を起こすタイプ。犬猫さんともに見られます。
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腫瘍やポリープによる膀胱炎:高齢の子では膀胱腫瘍が背景にある場合もあり、血尿が続く際には注意が必要です。
膀胱炎の主な症状
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頻繁にトイレに行くのに少ししか出ない、もしくは全く出ない
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血尿が見られる
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トイレ以外の場所で排尿してしまう
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排尿時に痛そうに鳴く、落ち着かない
- トイレでずっと排尿姿勢をとっている
これらのサインが見られた場合、膀胱炎の可能性があります。放置すると尿石症や腎臓への影響など、より重い病気に発展するリスクもあるため早めの受診が大切です。
ご家庭でできる予防の工夫
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新鮮なお水を常に複数の場所に用意する
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フードをウェットタイプに切り替える、またはふやかして与える
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トイレを清潔に保ち、排尿を我慢させない
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涼しくてもお散歩や遊びで適度な運動を心がける
獣医師からのメッセージ
膀胱炎は早期に発見すれば比較的治療しやすい病気ですが、再発しやすいという特徴もあります。季節の変わり目だからこそ、日々のちょっとした変化に気づき、気になるサインがあれば早めにご相談ください。
セカンドオピニオン設置
下部尿路疾患の症状に対して迅速に対応し、必要な検査(血液検査・尿検査・レントゲン・超音波・CT検査など)を実施して、原因を特定し適切な治療を行います。
特に「頻尿」「血尿」「尿が出ない尿閉」などのケースでは、早期の処置が非常に重要です。
また、専門診療の腎泌尿器科(室 卓志獣医師)を設けているため、セカンドオピニオン、さらには重症化した下部尿路疾患や慢性腎臓病など、長期的なケアが必要なケースの受け入れを行っております。
横浜市から川崎・大和エリアまで、地域の皆さまの“かかりつけ”として、安心の獣医療をお届けします。
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