ハグウェル動物総合病院からのお知らせ

トピックス

TOPICS

  • ブログ
  • 横浜鶴ヶ峰院

【獣医師監修】急に倒れた!?もしかしたら心臓腫瘍かも。

 

【腫瘍科診療】中津  院長

【担当科目】総合診療科・神経科・腫瘍科

 

 

 

【循環器診療】森山 寛大

【担当科目】総合診療科・循環器科

 

犬さんの心臓腫瘍とは

犬さんの心臓腫瘍は、人と比べると多くはありませんが、発見されると命に関わることが少なくありません。代表的なものには「血管肉腫」「化学受容体腫(心臓基底部腫瘍)」などがあり、特に大型犬でみられることが多いです。腫瘍は心臓の表面や心房、心臓の基部にでき、血流や心臓の動きを妨げることで症状を引き起こします。犬さんでの発生率は0.19%で、原発性および悪性が多く、近年では転移性腫瘍の方が多いとされています。

血管肉腫(Hemangiosarcoma:HSA)

どこにできやすい?(好発部位)

  • 最も多いのは右心房/右心耳。右心耳と右心房に腫瘤が集中します。大規模レビューでは、心臓腫瘍のなかでHSAが最多(約69%)で、第二位の大動脈小体腫瘍(=化学受容体腫)より約10倍多いと報告されています。心外膜下や右房入口部〜三尖弁付近へ伸展する例もあります。参考文献

犬種・年齢傾向

  • ジャーマン・シェパード、ゴールデン・レトリーバーなどでリスク増加が示唆されます。年齢では、中〜高齢に多いとされます。

化学受容体腫(Chemodectoma/大動脈小体腫瘍=心臓基底部腫瘍)

どこにできやすい?(好発部位)

  • 心臓基底部(大動脈起始部〜肺動脈周囲)に発生する大動脈小体(傍神経節)由来の腫瘍です(心臓腫瘍の中で8%)。

犬種・年齢傾向

  • 短頭種(ボクサー、ブルドッグ、ボストン・テリア など)で報告が多く、高齢に多い傾向があります。近年はフレンチ・ブルドッグの症例報告も増えています。

心臓腫瘍で見られる症状

心臓に腫瘍があると、次のような症状が現れることがあります。

  • 急な失神やふらつき

  • 咳や呼吸が苦しそうに見える

  • お腹に水(腹水)がたまって膨れてくる

  • 元気や食欲がなく、体重が減る

  • 急に倒れて亡くなるケースも

症状は腫瘍の場所や大きさによって異なり、進行するまで気づきにくいのが特徴です。

心臓腫瘍の診断の流れ

診断には以下のような検査が使われます。

  • 心臓エコー検査:最も有効です。腫瘍の有無や場所を確認できます。

  • X線検査:胸水や心臓の形の変化を確認できます。

  • CT検査:腫瘍の広がりや周囲臓器への影響をより詳しく評価できます。

  • 心嚢液検査:腫瘍から出血して心臓周囲に液が溜まる場合に実施されます。

最後に

犬さんの心臓腫瘍は早期発見が難しい病気です。しかし、定期健診やエコー検査でのチェックが、見つけるきっかけになります。普段から「咳」「疲れやすさ」「失神」などのサインを見逃さず、気になる症状があれば早めに動物病院にご相談ください。

愛犬の心臓を守る第一歩は、飼い主さんの「気づき」と「定期健診」です。

犬さんの腫瘍におけるCT検査の有用性

なぜCTが必要なのか

犬さんの腫瘍診断では、腫瘍の正確な位置・広がり・転移の有無を把握することが治療方針を決める上で重要です。従来のレントゲン検査だけでは、腫瘍の詳細な評価が難しいことが多いため、近年ではCT(コンピュータ断層撮影)の活用が進んでいます。

CTは体を輪切りにした画像を撮影し、それを3次元的に再構成することで、腫瘍を立体的に可視化できる検査です。

CT検査が有用なポイント

1. 腫瘍の正確な位置と広がりの把握

  • 鼻腔内腫瘍や脳腫瘍、胸腔内腫瘍など、骨や臓器が複雑に入り組んだ部位ではレントゲンでの評価が難しいことが多いです。

鼻腔内腫瘤

  • CTでは骨や軟部組織を詳細に描出でき、腫瘍がどこまで浸潤しているかを正確に判断できます。

2. 転移の有無の確認

  • 肺やリンパ節への転移は治療方針に大きな影響を与えます。

  • CTは数mm単位の小さな転移巣も検出でき、外科手術や放射線治療の適応を正しく判断するのに役立ちます。

3. 手術・放射線治療計画への応用

  • 腫瘍の切除範囲の決定放射線照射の精度向上にCT画像が欠かせません。

右眼瞼腫瘤

  • 腫瘍と周囲の重要な血管・神経の位置関係も把握でき、術後合併症のリスク軽減につながります。

4. 治療効果の評価

  • 手術後や化学療法・放射線治療後の再発や残存腫瘍の確認にもCTは有効です。

ハグウェル動物総合病院 横浜鶴ヶ峰院の体制

セカンドオピニオン設置

ハグウェル動物総合病院では、腫瘍疾患に直面した飼い主様と動物さんに、より良い選択をしていただけるよう セカンドオピニオン外来 (専門診療の腫瘍科、中津 央貴獣医師)を設けています。

腫瘍は種類や進行度によって治療方法が大きく異なり、外科手術・化学療法・放射線治療・緩和ケアなど多様な選択肢があります。そのため、診断や治療方針について複数の視点から検討することが大切です。

当院ではCTなどの高度画像診断を用い、腫瘍の性質や広がり、転移の有無を的確に把握したうえで、専門的な知見をもとに治療方針をご提案いたします。セカンドオピニオンを通じて、飼い主様が納得し、安心して治療に臨んでいただけることを第一に考えています。

横浜市から川崎・大和エリアまで、地域の皆さまの“かかりつけ”として、安心の獣医療をお届けします。

📢ご予約・ご相談はお気軽に!

LINE・お電話(045-442-4370)・受付(動物病院総合受付)にて承ります♪

 

*

ハグウェル動物総合病院
グループのポリシー

*
大切な動物さんの健康と、
家族みんなの歓びを、
育み続ける
ハグウェルグループにおける企業理念のもと、地域の飼い主様にとっての心の拠り所となることを目指し、横浜市旭区今宿東に第一号病院を開院しました。
当院では、予防や一般診療をはじめとして、その他の高度医療や専門診療にも総合的に対応しております。地域の全ての動物さんとご家族の皆様の幸せな生活を守り続けるために、常に先進の医療技術と、ホスピタリティを持ってスタッフ一同励んでまいります。
ハグウェル動物総合病院
グループの紹介

こんなお悩みありませんか?

CONTACT
ご予約は電話・LINEから
受け付けております