ハグウェル動物総合病院からのお知らせ

トピックス

TOPICS

  • ブログ
  • 犬さん
  • 犬猫さん
  • 猫さん
  • 横浜鶴ヶ峰院

【横浜鶴ヶ峰院】「あれ?お顔が少し歪んでる?」犬猫さんの『顔面神経麻痺』について

 

【専門診療】中津  院長

【担当科目】総合診療科・神経科・腫瘍科

 

 

ある日突然、愛犬や愛猫のお顔が左右非対称になっていたり、唇の片側だけが垂れ下がっていたりしたら、飼い主様は「脳卒中などの重大な病気では!?」と大変驚かれることでしょう。 実はこれ、犬さんや猫さんで時折みられる「顔面神経麻痺(がんめんしんけいまひ)」という病気の典型的なサインかもしれません。

今回は獣医師の視点から、この病気がなぜ起こるのか、どのように治療しケアしていくのかを詳しく解説いたします。

1. 疫学(どんな子に多いの?)

顔面神経麻痺は、猫さんよりも犬さんで多く見られる病気です。 年齢としては、中高齢(5歳以上)での発症が多い傾向にあります。

特定の犬種に偏って発症しやすいことが知られており、特に以下の犬種では注意が必要です。

  • アメリカン・コッカー・スパニエル
  • イングリッシュ・コッカー・スパニエル
  • ウェルシュ・コーギー
  • ボクサー
  • ゴールデン・レトリーバー

一方、猫さんでの発症は比較的珍しいですが、ペルシャなどの長毛種でやや多いという報告もあります。

2. 原因(なぜ起こるの?)

顔の筋肉を動かす「顔面神経」に何らかの障害が起きることで発症します。原因は多岐にわたりますが、主に以下のようなものが挙げられます。

  • 特発性(原因不明): 最も多い原因です。犬さんの顔面神経麻痺の約75%、猫の約25%がこの特発性だと言われています。人間でも「ベル麻痺」と呼ばれる原因不明の顔面神経麻痺がありますが、それに似た状態です。
  • 中耳炎・内耳炎: 耳の奥の炎症が顔面神経に波及することで起こります。猫さんの場合はこの原因が比較的多く見られます。
  • 内分泌疾患: 犬さんの場合、甲状腺機能低下症などのホルモン異常が引き金になることがあります。
  • 外傷: 交通事故や、首輪を強く引っ張りすぎたことによる神経の圧迫など。
  • 腫瘍: 耳の周辺や脳にできた腫瘍が神経を圧迫しているケース。

3. 症状(どんなサインがある?)

通常は片側(右か左のどちらか)に症状が出ます。以下のようなサインが見られたら要注意です。

  • 耳の異常: 麻痺した側の耳が垂れ下がり、音に対して動かなくなる。
  • 目の異常: 瞬き(まばたき)ができない、または遅い。そのため目が乾燥し、目やにが増えたり赤くなったりする。
  • 口元の異常: 麻痺した側の唇がだらんと垂れ下がる。
  • 食事の様子: 水を飲むときにこぼす、口の端からよだれが垂れる、口の中に食べ物が溜まる。
  • 鼻の異常: 鼻筋が健康な側に引っ張られ、顔全体が歪んで見える。

※顔の麻痺だけであれば命に直結することは少ないですが、首が傾く(斜頸)や、眼球が揺れる(眼振)などの症状が伴う場合は、脳や前庭(バランスを司る器官)の異常が疑われるため緊急性が高まります。

4. 診断(どうやって調べるの?)

動物病院では、他の重篤な神経疾患を除外しながら原因を探っていきます。

  1. 神経学的検査: 瞬きの反射(威嚇瞬き反射など)や、顔の感覚、他の神経に異常がないかを確認します。
  2. 耳の検査(耳鏡検査): 中耳炎や外耳炎の有無、鼓膜の状態をチェックします。
  3. 血液検査: 全身状態の把握や、甲状腺機能低下症などの基礎疾患が隠れていないかを調べます。
  4. 画像診断(CT/MRI): 耳の奥深く(中耳・内耳)や脳の異常(腫瘍や脳炎など)を調べるために、必要に応じて専門施設での精密検査をご提案することがあります。

5. 治療(どうやって治すの?)

治療法は「原因が何であるか」によって大きく異なります。

  • 基礎疾患がある場合: 中耳炎であれば抗生剤の投与や耳の洗浄、甲状腺機能低下症であればホルモン補充薬の投薬など、元の病気を治療します。腫瘍が原因の場合は、外科手術や放射線治療が検討されます。
  • 特発性(原因不明)の場合: 特効薬はありません。時間の経過とともに自然に回復するのを待つことになります。ステロイド剤やビタミン剤を使用することもありますが、劇的な効果は証明されていません。
  • 支持療法(目の保護): これが最も重要です。 瞬きができないと角膜が乾燥し、傷がついて失明の危機につながる「乾性角結膜炎(ドライアイ)」や「角膜潰瘍」を起こしやすくなります。1日に複数回の人工涙液やヒアルロン酸の点眼、眼軟膏を使用して、目を保護し続けます。
  • 代替療法: 血流を改善し筋肉の萎縮を防ぐ目的で、鍼治療やレーザー治療、お顔の優しいマッサージなどが取り入れられることもあります。

6. 予後(治るの?後遺症は?)

原因によって予後は異なります。

中耳炎や甲状腺の病気が原因であれば、治療によって改善が見込めます。 特発性の場合は、数週間から数ヶ月かけて徐々に回復する子もいれば、完全に麻痺が治りきらず、後遺症として残る子もいます。回復過程で顔の筋肉が収縮し、顔が引きつったような状態(顔面拘縮)になることもあります。

ただし、特発性の顔面神経麻痺自体は命を脅かす病気ではありません。 お顔の歪みが残ってしまったとしても、点眼などのケアをしっかり行えば、痛みや苦しみはなく、これまで通り幸せな生活を送ることができます。

7. 予防(防ぐことはできる?)

特発性の顔面神経麻痺を確実に予防する方法は、残念ながら現在のところありません。 しかし、原因の一部である「耳の病気」を防ぐことは非常に重要です。

  • 定期的に耳の汚れや臭いをチェックする。
  • 外耳炎になりやすい子(垂れ耳の犬種やアレルギー体質の子)は、こまめなケアと早めの治療を心がける。
  • シニア期に入ったら、定期的な健康診断(血液検査など)で甲状腺疾患などの隠れた病気を早期発見する。

最後に

愛犬・愛猫のお顔が突然歪んでしまうと、ショックを受けてしまうのは当然のことです。しかし、慌てず速やかに動物病院を受診し、正しい診断と「目の保護」を中心とした適切なケアを始めてあげることが何よりも大切です。 もし「少しおかしいな?」と感じることがあれば、迷わずかかりつけの獣医師にご相談くださいね。

ハグウェル動物総合病院 横浜鶴ヶ峰院の体制

セカンドオピニオン設置

神経症状に対して迅速な対応を行います。

必要な検査として神経学的検査(反応・歩様など)、血液検査、CT(脳構造評価)、(理想的には)脳波検査、CSF(髄液)検査、MRI検査を実施して、原因を特定し適切な治療を行います。

特に「けいれん」「発作」「失神」などのケースでは、的確な診断が非常に重要です。

また、専門診療の神経科(中津 央貴獣医師)を設けているため、セカンドオピニオン、さらには繰り返すけいれん発作など、治りが悪い症状の受け入れを行っております。

横浜市から川崎・大和エリアまで、地域の皆さまの“かかりつけ”として、安心の獣医療をお届けします。

 

ご予約・ご相談はお気軽に!

LINE・お電話(045-442-4370)・受付(動物病院総合受付)にて承ります♪

*

ハグウェル動物総合病院
グループのポリシー

*
大切な動物さんの健康と、
家族みんなの歓びを、
育み続ける
ハグウェルグループにおける企業理念のもと、地域の飼い主様にとっての心の拠り所となることを目指し、横浜市旭区今宿東に第一号病院を開院しました。
当院では、予防や一般診療をはじめとして、その他の高度医療や専門診療にも総合的に対応しております。地域の全ての動物さんとご家族の皆様の幸せな生活を守り続けるために、常に先進の医療技術と、ホスピタリティを持ってスタッフ一同励んでまいります。
ハグウェル動物総合病院
グループの紹介

こんなお悩みありませんか?

CONTACT
ご予約は電話・LINEから
受け付けております

横浜鶴ヶ峰院

LINE予約

吉川美南院

LINE予約

横浜鶴ヶ峰院

045-442-4370

吉川美南院

048-940-0337