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【横浜鶴ヶ峰院】愛犬・愛猫の小さな心臓を守るために。知っておきたい「先天性心疾患」との向き合い方

【循環器診療】森山 寛大

【担当科目】総合診療科・循環器科

 

 

 

【循環器診療】佐藤 貴紀

【担当科目】総合診療科・循環器科・栄養管理科

 

 

家族として迎え入れたばかりの愛犬や愛猫。元気に走り回る姿を見ているだけで幸せな気持ちになりますが、動物病院の健診などで「心臓に雑音があります」と告げられることがあります。生まれつき心臓の構造に問題がある「先天性心疾患」は、飼い主様にとって大きな不安を伴う病気です。しかし、正しい知識を持ち、早期に対応することで、大切な家族との時間を長く、健やかに延ばすことができます。

今回は、この病気との向き合い方について分かりやすく解説します。

疫学:どのような子に多いのか

先天性心疾患は、犬さんや猫さんの全体で見ると決して頻度が高いわけではありませんが、特定の純血種において発生リスクが高いことが知られています。

犬さんでは、チワワ、トイ・プードル、ポメラニアン、フレンチ・ブルドッグ、柴犬などの人気犬種で比較的多く見られます。猫さんでは、メインクーン、ラグドール、アメリカン・ショートヘア、ペルシャなどでリスクが指摘されています。生後まもない時期から若齢期(一般的に1歳未満)に発見されることが多いのが特徴です。

原因:なぜ起こるのか

多くの場合、遺伝的な要因(特定の遺伝子の変異)や、母体内での胎子期の発生異常が原因と考えられています。

心臓は右心房・右心室・左心房・左心室という4つの部屋と、それらをつなぐ弁、そして太い血管(大動脈・肺動脈)で構成されています。この複雑な構造が作られるプロセスで、一部の壁に穴が残ってしまったり、弁が狭くなってしまったりすることで発症します。

代表的な疾患には以下のものがあります。

  • 動脈管開存症(PDA):本来は出生直後に閉じるべき血管が残ってしまう病気(犬さんに多い)。

  • 心室中隔欠損症(VSD) / 心房中隔欠損症(ASD):心臓の部屋を隔てる壁に穴が開いている病気(猫さんに比較的多い)。

  • 肺動脈弁狭窄症(PS) / 大動脈弁狭窄症(AS):血管の出口の弁が狭くなり、血液が通りにくくなる病気。

症状:日常のサイン

軽度のうちは全く症状が出ず、外見からは健康そのものに見えることも珍しくありません。しかし、病気が進行すると以下のようなサインが現れます。

  • 同い年の子に比べて疲れやすい、すぐに座り込む

  • 遊んだり走ったりした後に、苦しそうにハァハァと息をする(特に猫さんの開口呼吸は要注意です)

  • 成長が遅い、体重が増えない

  • 咳をする

  • 歯ぐきや舌の色が紫〜白っぽくなる(チアノーゼ)

  • 突然倒れる(失神)

診断:病院で行う検査

診断の第一歩は、動物病院での「聴診」です。獣医師が胸の音を聴き、特有の心雑音を感知することから疑いが持たれます。その後、確定診断や重症度評価のために以下の検査を行います。

  • 超音波検査(心エコー):心臓の形、壁の厚さ、穴の位置、血液の流れる方向や速度をリアルタイムで映像化する最も重要な検査です。

  • X線(レントゲン)検査:心臓の全体的な大きさや、肺に水が溜まっていないか(肺水腫の有無)を確認します。

  • 心電図検査:不整脈が出ていないかを調べます。

治療:どのような選択肢があるのか

治療法は、疾患の種類や重症度、発見された時期によって大きく異なります。

  1. 外科手術・カテーテル治療 :動脈管開存症(PDA)などの一部の病気では、血管を縛る手術や、カテーテルを用いて異常な血管を塞ぐ治療により、完全に治癒(根治)を目指すことが可能です。

  2. 内科療法(投薬) 手術が難しい場合や、穴が小さく経過観察ができる場合は、お薬によるコントロールを行います。心臓の負担を減らす血管拡張薬、余分な水分を排出し心不全を防ぐ利尿薬などを生涯にわたって服用します。

予後:これからの見通し

予後(病気の今後の経過)は、病気の種類と「どれだけ早く発見し、治療を開始できたか」に強く依存します。

根治可能な病気で早期に手術に成功した場合、他の健康な子と変わらない寿命を全うできるケースが多々あります。一方で、発見が遅れてすでに重度の心不全や肺高血圧を合併している場合や、手術が不可能な複雑な奇形の場合は、予後が厳しくなることもあります。ただし、内科治療を適切に続けることで、症状を和らげ、穏やかな生活の質(QOL)を長期間維持することは十分に可能です。

予防:私たちにできること

先天性の病気であるため、発生自体を人間の手で予防することは困難です。そのため、ここでの予防とは「重症化させないための予防(早期発見)」を意味します。

飼い主様ができる最大の予防策は、子犬・子猫の時期に、ワクチン接種や健康診断の機会を利用して、必ず獣医師にしっかりと心音を聴いてもらうことです。また、おうちにお迎えした後は、日頃の呼吸の様子や運動時の疲れやすさに目を配り、違和感があればすぐに動物病院を受診してください。

心臓病という言葉は重く響きますが、現代の獣医学は進歩しており、コントロールできる選択肢は増えています。小さな変化を見逃さず、獣医師と二人三脚で適切なケアを続けていくことが、愛犬・愛猫の命を繋ぐ何よりの力になります。

最後に

フィラリア症は、かかってしまうと動物にとっても飼い主様にとっても、非常に負担の大きな、命を脅かす病気です。しかし、月に一度の正しいケアで、その危険から大切な家族を完全に守ることができます。

「うちの子は家から出ないから」「去年も大丈夫だったから」と思わず、今年もかかりつけの獣医師と相談しながら、確実な予防をスタートさせてあげてください。

ハグウェル動物総合病院の体制

セカンドオピニオン設置

今回の咳か、くしゃみか、逆くしゃみかの判断がわからないケースなど、的確な診断が必要な場合は、ハグウェル動物総合病院の循環器科をご予約ください。症状に対して迅速な対応を行います。

必要な検査として身体検査、血液検査、心エコー検査、レントゲン検査、心電図検査、血圧検査などを実施して、原因を特定し適切な治療を行います。

早期発見をしながら、どのタイミングで、どの投薬が望ましいのか、循環器認定医としっかり相談し決定することをお勧めいたします。

また、専門診療の循環器科(森山 寛大 獣医師・佐藤 貴紀 獣医師)を設けているため、セカンドオピニオンの受け入れも行っております。

横浜市から川崎・大和エリアまで、地域の皆さまの“かかりつけ”として、安心の獣医療をお届けします。

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