
おうちの犬さんのお口を見た時に、「うちの子、歯並びが少し変わっているかも」と思ったことはありませんか?
犬さんにもヒトと同じように歯並びや嚙み合わせの異常が見られることがあり、これを“不正咬合”と呼びます。
不正咬合は見た目の問題だけでなく、歯が歯茎にあたることで、痛みや炎症を引き起こすことがあります。
場合によっては食事や日常生活に支障をきたすこともあるため、早期発見と適切な対応が大切です。
今回は、犬さんの不正咬合について種類や症状、治療法を分かりやすくご紹介します。
目次
正常な歯並び
不正咬合を見つけるには、正常な歯並び(正常咬合)を知る必要があります。
正面から見た際の犬さんの正常咬合は、上顎切歯が下顎切歯を軽度に覆い、下顎犬歯は上顎の第三切歯(中央から数えて3本目の前歯)と上顎犬歯の間に咬合します。

上顎の前臼歯(犬歯の後ろに生えている4本の歯)の咬頭(歯の先端)は下顎の前臼歯(犬歯の後ろに生えている4本の歯)の咬頭の間に互い違いに咬合します。

不正咬合の種類
叢生(そうせい)
歯が一列ではなく重なって生えている状態。小型犬種の切歯、前臼歯によく見られます。
前方交叉咬合
1歯以上の切歯が前や後ろに転位している状態。
後方交叉咬合
1歯以上の上顎臼歯が下顎臼歯より舌側に転位している状態。
骨格性不正咬合
顎の長さの異常です。正常も含め、咬合状態は5つのクラスに分類されます。
クラス0:正常咬合のこと。
クラス1:上下の顎の長さは適正だが、前述した叢生や転位を単数あるいは複数伴うもの
クラス2:下顎が短いか上顎が長い咬合(オーバーバイト)
クラス3:下顎が長いか上顎が短い(アンダーバイト)。ブルドッグさんやペキニーズさんたちなどはクラス3の咬合でも正常とみなします。
クラス4:上下の顎の正中(真ん中)が合っていない(ライバイト)
治療
症状や不正咬合の種類、程度によって治療法は異なります。
矯正治療は、“抑制矯正・予防的矯正”と“矯正装置などを装着する矯正”に分かれます。
抑制矯正・予防的矯正
発育期に不正咬合がすでに認められていたり、今後予想されたりする場合に、不正咬合の発生や進行を抑制するための治療です。
よくある事例として、乳歯などが生えたまま永久歯が生えてしまうと、永久歯の歯列に異常をきたすことがあります。
その場合、乳歯抜歯をすることで将来の不正咬合を防ぎます。
乳歯から永久歯への生え変わりは生後6〜7ヶ月で完了します。この時期を過ぎても乳歯が残っている場合は注意が必要です。
その他の矯正治療
歯の切断や、ラバーチェーンといった矯正装置を装着させることで不正咬合を治療します。
ヒトと大きく違う点としては、審美的理由だけでは動物さんの不正咬合の治療はしません。
不正咬合によって噛むことが困難な場合や、疼痛や炎症を引き起こす可能性がある場合にこれらの治療を検討します。
まとめ
不正咬合は、見た目の問題以上にお口の中の痛みや炎症、歯周病の原因になることがあります。
特に成長期は歯並びや噛み合わせが大きく変化する時期です。
日ごろからお口の様子を観察し、気になることがあれば早めにご相談ください。
また、歯並びが悪いと歯垢・歯石もつきやすいとされています。日頃の歯磨きがきちんとできているか、定期的に病院でチェックすることも大切です。
ハグウェル動物総合病院 吉川美南院の体制
ハグウェル動物総合病院 吉川美南院では、健康診断を通年で実施しており、病気の早期発見・早期治療に力をいれています。
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