
近年動物医療も発展し、動物さんたちが長生きできる時代になりました。非常に嬉しい反面、高齢期にみられる様々な病気に出会う機会も増えています。その中の一つが“口腔内腫瘍”です。
口腔内腫瘍とは、お口の中に発生する腫瘍の総称です。
お口の中にできる腫瘍は、小さなうちは食欲も元気も変わらないことが多くとても気づきにくい病気です。
今回は、犬さん猫さんの口腔内腫瘍について、症状や種類、治療法などをわかりやすくご紹介します。
目次
口腔内腫瘍について
口腔内腫瘍は決して珍しい病気ではなく、犬さんでは腫瘍全体の6%、猫さんでは3%を占めています。
口腔内腫瘍は“歯原性腫瘍”と“非歯原性腫瘍”に分かれます。
歯原性腫瘍とは、顎骨(あごの骨)内の歯の形成に関わる細胞や組織が腫瘍化したもので、比較的進行は緩徐な傾向があります。
非歯原性腫瘍とは、歯原性腫瘍以外の口腔内にできる腫瘍を指し、一般的に進行が速いものが多いです。
犬さんも猫さんも、非歯原性腫瘍の方が発生率は高く、その中でも特に発生率の高い腫瘍をご紹介します。
犬さんで見られる口腔内悪性腫瘍トップ3
1位:悪性黒色腫(メラノーマ)
非歯原性腫瘍の一つ。口腔内のどの部位にも発生する可能性があります。転移率は80%と非常に悪性度の高い腫瘍です。

舌にできた悪性黒色腫です。

頬の粘膜にできた乏色素性の悪性黒色腫です。
2位:扁平上皮癌
非歯原性腫瘍の一つ。歯肉や口唇、舌、咽頭、扁桃に発生します。歯肉に発生した場合の転移率は低く、舌や扁桃に発生した場合は肺に転移しやすいとされています。
3位:線維肉腫
非歯原性腫瘍の一つ。大型犬での発生が多いと報告されています。好発部位は歯肉及び口蓋(上あご)です。局所浸潤性は高いですが、肺などの遠隔転移率は低いとされています。
猫さんで見られる口腔内悪性腫瘍トップ2
1位:扁平上皮癌
猫さんの口腔内悪性腫瘍の約70%を占めます。本症の発生因子として受動喫煙やノミ取り首輪の使用との関連が指摘されています。
2位:線維肉腫
全口腔内悪性腫瘍の5~15%を占めます。扁平上皮癌よりも若齢(発症平均年齢10歳)で発症することがあります。
症状
- 強い口臭
- よだれが多い
- 開口障害(口を開けることができない)
- 閉口障害(口を閉じることができない)
- 出血
- 食欲不振
- 体重減少
口腔内腫瘍は上記の症状が出ることが多いですが、初期は何も症状を認めない場合もあります。
治療法
動物さんの年齢、全身状態、腫瘍の種類や悪性度、転移の有無などを総合的に考慮し治療法を決定します。
口腔内腫瘍の治療の中心は外科手術が基本となります。
外科手術では、腫瘍の摘出のみでは周囲組織に腫瘍細胞が残存している可能性もある為、基本的には腫瘍周囲の顎の骨ごと切除することがほとんどです。
外科手術以外の治療法としては、放射線療法や抗がん剤を使用する化学療法があります。
まとめ
口腔内腫瘍は、早期発見によって治療の選択肢が広がる病気です。そのためにも日ごろからのホームデンタルケアに加えお口のチェックを欠かさず行いましょう。
口臭や出血、食べづらそうな様子など、気になる症状がある場合は、そのまま様子を見ずに当院へご相談ください。
ハグウェル動物総合病院 吉川美南院の体制
ハグウェル動物総合病院 吉川美南院では、健康診断を通年で実施しており、病気の早期発見・早期治療に力をいれています。
動物さんの小さな変化も気兼ねなくご相談ください。動物さんとご家族のみなさまが満足のいく治療方針をご提案させていただきます。
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