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【横浜鶴ヶ峰院】愛犬がずっと同じ足を舐めている…それ、悪化すると怖い「肢端舐性皮膚炎(なめ壊し)」かも!

 

【皮膚科専門診療】星野 友哉 獣医師

【担当科目】皮膚科

 

 

犬猫さんが、前足や後ろ足の先をずっとペロペロと舐めているのを見たことはありませんか? 「ただの毛づくろいかな」「暇なのかな」と放置していると、いつの間にか毛が抜け、皮膚が赤く腫れ上がり、ジュクジュクとした「しこり」になってしまうことがあります。

これは「肢端舐性皮膚炎(したんしせいひふえん)」、通称「なめ壊し」や「舐性肉芽腫(しせいにくげしゅ)」と呼ばれる皮膚疾患です。

今回は、治療が長期化しやすく、飼い主様も動物も辛い思いをしやすいこの病気について、獣医師が詳しく解説します。

疫学(どんな子がかかりやすいの?)

この病気は、猫さんよりも圧倒的に犬さんで多く見られます。年齢を問わず発症しますが、中高齢での発症が多く見られます。

  • 好発犬種: 特に大型犬に多く見られます。ゴールデン・レトリーバー、ラブラドール・レトリーバー、ドーベルマン、グレート・デーン、ジャーマン・シェパードなどでよく見られますが、小型犬(柴犬など)でも発症します。
  • 猫さんの場合: 猫さんで典型的な肢端舐性皮膚炎(硬いしこりになる症状)は稀ですが、ストレスなどからお腹や足を舐め続けて毛をむしってしまう「心因性脱毛」という似たような行動をとることがあります。

原因(なぜ舐め続けてしまうの?)

原因は非常に複雑で、大きく「身体的な問題」と「心理的な問題(ストレス)」の2つに分かれます。これらが複雑に絡み合っていることも少なくありません。

  • 身体的な問題(基礎疾患):
    • 痒み: アトピー性皮膚炎、食物アレルギー、ノミやダニなどの寄生虫感染。
    • 痛み・違和感: 関節炎(舐めている足の関節が痛い)、過去の骨折やケガの痛み、神経痛など。
    • 感染: 深い部分の細菌感染(深在性膿皮症)や真菌感染。
  • 心理的な問題(ストレスや心の病気):
    • 環境要因: 退屈(運動不足)、長時間の留守番、引っ越しなどの環境の変化。
    • 精神・行動学的要因: 分離不安症、常同障害(強迫性障害のように、同じ行動を繰り返さずにはいられない心の病気)。

最初は少し痒かったり痛かったりして舐め始めたのが、舐める行為自体がクセ(習慣化)になり、快楽物質が脳から出ることで、舐めるのをやめられなくなってしまうケースが多いのです。

症状

病名のとおり、「肢端(手足の先)」に症状が集中するのが特徴です。

  • 舐める・噛む: 特定の足の先(特に前足の手首のあたりや、後ろ足の甲)を執拗に舐めたり、前歯で噛んだりします。
  • 脱毛と発赤: 舐め続けることで毛が抜け、皮膚が真っ赤になります。
  • 肉芽腫(しこり)の形成: 慢性化すると、皮膚が分厚く硬くなり、盛り上がった「しこり」のようになります。
  • 潰瘍(かいよう): しこりの表面がジュクジュクとただれ、血や膿が出ることがあります。

診断

この病気は「ただ舐めるのをやめさせれば治る」ものではありません。根本的な原因を探るために、除外診断(他の病気ではないことを一つずつ確認する作業)を行います。

  • 細胞診・皮膚掻爬(そうは)検査: 細菌や真菌が感染していないか、寄生虫がいないかを確認します。
  • レントゲン検査: 舐めている部分の骨や関節に異常(関節炎や骨の腫瘍など)がないかを確認します。重度の場合、皮膚の炎症が骨まで達していることもあります。
  • 病理組織検査: しこりが本当に「舐めたことによる炎症(肉芽腫)」なのか、それとも「皮膚がん(腫瘍)」なのかを鑑別するために、皮膚の一部を切り取って検査することがあります。
  • 問診(行動評価): 飼育環境、留守番の時間、運動量などを詳しくお聞きし、ストレス要因がないかを探ります。

 

治療

原因が多岐にわたるため、治療は「多角的なアプローチ」が必要になります。非常に根気が必要です。

  1. 感染症のコントロール(投薬): 深く細菌が入り込んでいることが多いため、長期間(数週間〜数ヶ月)の抗生剤の内服が必要になることがよくあります。
  2. 痒みや痛みのコントロール: アレルギーがある場合は痒み止めを、関節炎がある場合は痛み止めを使用し、「舐めるきっかけ」を断ちます。
  3. 物理的な保護: 舐める行為を物理的に防ぐため、エリザベスカラーの装着や、患部への包帯・靴下の着用を行います。ただし、これらは根本治療ではなく「保護」です。
  4. 環境改善と行動治療: 散歩の時間を増やす、知育玩具を与えて退屈させないなど、環境の改善を行います。重度の心因性(常同障害など)の場合は、抗うつ薬などの向精神薬を処方することもあります。

 

予後

正直にお伝えすると、肢端舐性皮膚炎の予後は「要注意(非常に再発しやすい)」です。 初期の段階で原因(アレルギーなど)を特定し、治療できれば完治も見込めます。しかし、慢性化して分厚いしこりになってしまったり、舐める行為が完全に「心のクセ(常同障害)」として定着してしまっている場合、生涯にわたって付き合っていく(うまくコントロールする)必要があるケースも少なくありません。

予防

何よりも「早期発見・早期介入」と「ストレスのない生活」が重要です。

  • 舐めるサインを見逃さない: 愛犬・愛猫が同じ場所を何度も舐めていることに気づいたら、毛が抜ける前にすぐに動物病院へご相談ください。「そのうちやめるだろう」は禁物です。
  • 適切な運動とスキンシップ: 特に大型犬など体力のある犬種は、散歩や運動が足りないと退屈から自分の足を舐め始めます。十分な運動と、飼い主様とのコミュニケーションの時間をしっかり取りましょう。
  • 定期的な健康チェック: 見えない関節の痛みなどが原因になることもあるため、シニア期に入ったら定期的な健康診断をおすすめします。

ハグウェル動物総合病院 横浜鶴ヶ峰院の体制

【皮膚科 セカンドオピニオン外来のご案内】

2026年5月1日より、30分枠でのご予約になりますが、診察時間を拡大いたします。

  • 曜日:毎週 月曜日・木曜日
  • 診療時間:10:00〜13:00、15:00〜18:00

ハグウェル動物総合病院では、皮膚疾患にお悩みの動物さんとご家族のために、皮膚科専門診療(担当:星野友哉獣医師)によるセカンドオピニオン外来を設けています。

皮膚疾患は「かゆみ」「脱毛」「赤み」など一見似た症状でも、その原因や進行度によって治療法が大きく異なります。アレルギー、感染症、ホルモン疾患、腫瘍など、複数の要因が関与するケースも少なくありません。

そのため当院では、問診・皮膚検査・細胞診・血液検査を活用し、病態を多角的に評価します。そのうえで、専門的な知見に基づき、現在の治療の見直しや新たな選択肢をご提案いたします。

「なかなか良くならない」
「診断や治療方針に不安がある」
「他の治療選択も知りたい」

このようなお悩みをお持ちの方に、納得と安心を提供することを大切にしています。

また、当院ではトリミング部門と連携し、薬浴やスキンケアまで一貫したサポートが可能です。治療だけでなく、日常管理まで含めた総合的な皮膚ケアをご提案いたします。

大切なご家族にとって最適な選択ができるよう、ぜひ一度ご相談ください。

横浜市から川崎・大和エリアまで、地域の皆さまの“かかりつけ”として、安心の獣医療をお届けします。

ご予約・ご相談はお気軽に!

LINE・お電話(045-442-4370)・受付(動物病院総合受付)にて承ります♪

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当院では、予防や一般診療をはじめとして、その他の高度医療や専門診療にも総合的に対応しております。地域の全ての動物さんとご家族の皆様の幸せな生活を守り続けるために、常に先進の医療技術と、ホスピタリティを持ってスタッフ一同励んでまいります。
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