
目次
はじめに
犬猫さんの健康を守るために、避妊・去勢手術は大切な選択のひとつです。
その一方で、おうちの子の体への負担を考えると手術を受けるべきなのか悩まれる飼い主様も多いのではないでしょうか。
今回は、女の子の避妊手術について目的やメリットなどをわかりやすくご紹介します。
避妊手術とは?
犬猫さんの避妊・去勢手術とは、手術によって生殖能力をなくすために行う処置のことです。
避妊手術では女の子(メス)の卵巣や子宮を摘出します。
これらの手術は、望まない繁殖を避けるだけではなく、他にも様々なメリットがあります。
避妊手術のメリット
- 望まれない妊娠を防ぐことができる
- 生殖器疾患の予防
- 発情に伴う行動やストレスの軽減
犬さんでは発情出血や偽妊娠、猫さんでは大きな鳴き声などが落ち着くことが期待できます。
また、手術をすることで発情によるストレスがなくなるため、犬猫さんも穏やかに生活することができます。
避妊手術で予防ができる病気
子宮蓄膿症
子宮内に細菌感染が起こり、膿が溜まってしまう病気です。
この病気は性ホルモンの影響で免疫が下がってしまうことで感染が起きやすくなると考えられており、発情から2カ月以内に発症しやすくなります。
治療が遅れてしまうと細菌の毒素によりショックや敗血症を引き起こし、命にかかわることがある危険な病気です。
犬さんでは、生涯発情が続くため高齢になるにつれて発症リスクが高くなります。
乳腺腫瘍
犬さんでは約50%、猫さんでは約90%が悪性といわれています。
この病気は早期の避妊手術によって、発症率を下げることが可能です。
手術をするタイミングによっても発生率が変わるため避妊手術をご検討の際は、お早めにご相談ください。

卵巣疾患(卵巣腫瘍、卵巣嚢腫)
卵巣腫瘍や卵巣嚢腫は気づきにくいことが多く、知らないうちに進行していることが多いです。
卵巣腫瘍は良性のものもありますが、悪性だった場合腹腔内や肺に転移することや進行すると腹水や胸水が溜まる場合もあります。
卵巣嚢腫は、卵巣内に液体が溜まった状態のことをいいます。
これらの疾患は、避妊手術をすることで原因を取り除くことができます。
手術の時期について
動物さんによって成長スピードが異なるため手術の適切な時期は前後しますが、当院では以下の時期を推奨しております。
- 犬さん(小型犬):6〜8ヶ月齢
- 犬さん(大型犬):1歳以上
- 猫さん:6ヶ月齢
避妊手術の注意点
全身麻酔や手術のリスク
避妊手術は全身麻酔を必要とするため、麻酔や手術そのものにリスクが伴います。
麻酔の影響により呼吸が弱まったり、血圧が下がったりするほか、まれに麻酔薬に反応してアレルギーを起こしてしまうことがあります。
100%安全な麻酔というものはないですが、術前検査や麻酔中の状態管理をすることでリスクを最小限に抑えるように心がけています。
肥満になるリスク
避妊手術後はホルモンバランスの変化により、基礎代謝の低下や食欲の増加で肥満のリスクが高まります。
肥満になってしまうと関節への負担や糖尿病など他の病気のリスクが上がるため、手術後は適切なご飯の種類や量の調整をすることが大切です。
尿失禁のリスク
避妊手術によってホルモンの分泌がなくなることにより排尿のコントロールがうまくいかず、尿失禁を起こすことがまれにあります。
全体の発症率は高くありませんが、小型犬より大型犬の方が起こりやすいといわれています。
当院での避妊手術について
一般的な避妊手術はお腹を開けて子宮・卵巣を摘出しますが、当院ではより低侵襲な腹腔鏡を用いた手術をおすすめしております。
腹腔鏡手術のメリット
- 傷口が小さい
- 痛みが少ない
- 腹腔鏡カメラを使用するため、血管や組織を拡大して観察することが可能
- 開腹手術では観察できない他の臓器の観察することが可能
- 当日退院可能
最後に
手術にはそれぞれのメリットがあるため、動物さんに合わせてご提案をいたします。
手術後の過ごし方やご飯などお困りのことやご不安な点がございましたら是非当院へお気軽にご相談ください。

