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【獣医師監修】犬猫さんの健診で早期発見、膀胱腫瘍について

 

 

【専門診療】中津  院長

【担当科目】総合診療科・神経科・腫瘍科

 

犬猫さんの健診で早期発見、膀胱腫瘍について

犬猫さんに主にできやすい膀胱腫瘍は、膀胱移行上皮癌(Transitional Cell Carcinoma:TCC)です。

膀胱移行上皮癌は、犬猫さんの膀胱や尿道に発生する悪性腫瘍の中で最も代表的な腫瘍の一つです。特に犬さんでは、膀胱腫瘍の約90%以上を占めるとされ、臨床でも比較的遭遇する機会の多い腫瘍です。一方、猫さんでは、発生頻度は犬さんほど高くありませんが、診断された場合は進行しているケースが多いのが特徴です。

多くの場合、膀胱の出口である三角部(膀胱頸部付近)に発生するため、排尿に関わる症状が早期から現れやすい腫瘍でもあります。

膀胱三角部にできた腫瘍

膀胱三角部にできた腫瘍

膀胱移行上皮癌の疫学

犬さん

・膀胱腫瘍の約90%が移行上皮癌

・平均発症年齢は9〜11歳

・雌犬に多い

好発犬種は

・スコティッシュテリア

・シェットランドシープドッグ

・ビーグル

・ウェストハイランドホワイトテリア

これらの犬種では発症リスクが10〜20倍になるという報告もあります。

猫さん

・比較的稀な腫瘍

・高齢猫に多い

・診断時には進行しているケースが多い

と言われています。

主な症状

膀胱移行上皮癌の症状は、一般的な膀胱炎と非常に似ているため注意が必要です。

主な症状では、

・血尿

・頻尿

・排尿困難

・尿量の減少

・排尿姿勢を取るが出ない

・尿失禁

初期の腫瘍では、無症状のこともあるため、注意が必要です。

また、重症化して腫瘍が尿道を塞ぐと、完全な尿閉を起こすこともあります。また、進行すると以下の症状が見られることがあります。

進行時の症状では、

・食欲低下

・元気消失

・体重減少

・後肢の浮腫(リンパ節転移)

「膀胱炎が治らない」「抗生物質で改善しない」という場合には、検査を行い的確な診断を行うことをお勧めします。

発生原因

膀胱移行上皮癌の原因は完全には解明されていませんが、いくつかのリスク因子が知られています。

  • 遺伝的要因

    特定犬種で発生率が高いことから、遺伝的素因が関与していると考えられています。
  • 環境因子

    以下の要因が関連すると報告されています。

・農薬

・殺虫剤

・芝生用化学薬品

・肥満

・慢性的な膀胱炎

近年ではBRAF遺伝子変異が犬のTCCで高頻度に見つかることも知られており、分子診断にも応用されています。

診断方法

膀胱移行上皮癌の診断では、複数の検査を組み合わせて評価します。

  • 身体検査

    腹部触診で膀胱壁の肥厚を感じることがあります。お腹を触られるのを嫌がるなど
  • 尿検査

    血尿や炎症細胞が見られますが、腫瘍細胞は検出されないことも多いです。
  • 超音波検査

    最も一般的な検査で、膀胱三角部に腫瘤が確認されることが多いです。
  • 画像検査

    レントゲン検査やCT検査により、転移の有無を調べます。
  • 遺伝子検査

    犬では尿中BRAF変異検査が診断補助として使用されています。
  • 病理検査

    確定診断には腫瘍組織の病理検査が必要です。

治療

膀胱移行上皮癌は膀胱三角部に発生することが多いため、完全な外科切除が困難なケースが多い腫瘍です。そのため、内科治療を行うこともあります。

主な治療法

  • 外科治療

腫瘍の位置によっては部分切除が可能な場合もあります。

  • 内科治療

抗腫瘍薬やNSAIDs治療などの抗炎症薬は腫瘍抑制効果が報告されています。

  • 放射線治療

専門施設では選択肢となる場合があります。

  • 尿道ステント

尿閉を防ぐために設置されることがあります。

多くの場合、複数の治療を組み合わせる治療が行われます。

予防と早期発見

膀胱移行上皮癌を完全に予防する方法は確立されていませんが、早期発見が非常に重要です。

注意すべきサイン

・血尿が続く

・膀胱炎を繰り返す

・排尿しづらそう

これらの症状がある場合には、早めの検査が重要です。

また、以下の取り組みもリスク低減につながる可能性があります。

・肥満管理

・農薬など化学物質への曝露を減らす

・定期的な健康診断

・尿検査や超音波検査

特にシニア期(7歳以上)の犬猫さんでは、定期的な尿検査や腹部超音波検査によって早期発見につながることがあります。

獣医師からのメッセージ

膀胱移行上皮癌は「膀胱炎とよく似た症状」で始まるため、発見が遅れやすい腫瘍です。しかし、早期に発見できれば治療の選択肢も広がり、生活の質を保ちながら長く過ごせる可能性もあります。

もし「血尿が続く」「膀胱炎がなかなか治らない」といった症状が見られる場合は、単なる膀胱炎と判断せず、超音波検査などによる詳しい評価を行うことが大切です。早期発見・早期治療が、大切な家族の未来を守ることにつながります。

ハグウェル動物総合病院 横浜鶴ヶ峰院の体制

セカンドオピニオン設置

ハグウェル動物総合病院では、腫瘍疾患に直面した飼い主様と動物さんに、より良い選択をしていただけるよう セカンドオピニオン外来 (専門診療の腫瘍科、中津 央貴獣医師)を設けています。

腫瘍は種類や進行度によって治療方法が大きく異なり、外科手術・化学療法・放射線治療・緩和ケアなど多様な選択肢があります。そのため、診断や治療方針について複数の視点から検討することが大切です。

当院ではCTなどの高度画像診断を用い、腫瘍の性質や広がり、転移の有無を的確に把握したうえで、専門的な知見をもとに治療方針をご提案いたします。セカンドオピニオンを通じて、飼い主様が納得し、安心して治療に臨んでいただけることを第一に考えています。

横浜市から川崎・大和エリアまで、地域の皆さまの“かかりつけ”として、安心の獣医療をお届けします。

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