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【獣医師監修】犬猫さんの胸にしこりが・・・。正体は?

 

 

【専門診療】中津  院長

【担当科目】総合診療科・神経科・腫瘍科

 

胸のしこりの正体その原因は

犬猫さんの胸にできるしこりの大半は乳腺腫瘍と考えられます。

乳腺腫瘍は、犬猫さんで非常に多くみられる腫瘍のひとつです。特に避妊手術の時期と強く関係しており、「予防できる可能性があるがん」である一方、発見が遅れると命に関わる疾患でもあります。本ぶろぐでは、腫瘍専門獣医師の視点から、乳腺腫瘍の正しい理解と注意点を解説します。

乳腺腫瘍とは何か

乳腺腫瘍は、乳頭周囲の乳腺組織から発生する腫瘍で、胸から鼠径部にかけて左右に並ぶ乳腺のどこにでも発生します。

犬さんでは皮膚腫瘍に次いで発生頻度が高く、猫さんでは造血器腫瘍に次いで多い悪性腫瘍です。

重要な特徴として、

  • 犬:良性と悪性がほぼ半数ずつ
  • 猫:約80〜90%が悪性

という大きな違いがあります。

つまり、猫さんで乳腺のしこりを見つけた場合は「がんである可能性が高い」と考え、迅速な対応が必要になります。

なぜ乳腺腫瘍は起こるのか

最大のリスク因子は女性ホルモン(エストロゲン・プロゲステロン)です。

避妊時期と乳腺腫瘍発生率には明確な関係があります。

初回発情前の避妊を行うことで発生率 約0.5%に抑えられます。

1回目発情後:約8%、2回目発情後:約26%、未避妊は高リスクと言われています。

つまり、若齢期の避妊手術は極めて強力な予防効果を持ちます。

その他のがんになるリスク因子は
・高齢化
・肥満(特に若齢期)
・ホルモン製剤使用歴
・遺伝的要因

と言われています

乳腺腫瘍の症状

初期はほぼ無症状です。

多くの場合、飼い主様が以下に気づくことで発見されます。

・お腹に小さなしこりがある
・左右で乳頭の硬さが違う
・急に大きくなった
・皮膚が赤い、潰瘍がある
・出血や分泌物

注意すべき点は、「痛がらない」ことです。痛みがないため発見が遅れやすい腫瘍です。

1cm未満での発見が理想とされています。

良性と悪性の見分けはできる?

触診や見た目だけでは判別できません。確定診断には、外科切除、病理組織検査が必須です。

細胞診(針検査)は参考にはなりますが、乳腺腫瘍では確定診断にならないことも多いのが特徴です。

転移のリスク

悪性乳腺腫瘍は主に以下へ転移します。

・肺(最も多い)
・リンパ節
・皮下組織
・腹腔内臓器

そのため手術前には通常、

・胸部レントゲン
・超音波検査
・リンパ節評価

を行い、ステージ(進行度)を評価します。

治療の基本は外科手術

乳腺腫瘍治療の第一選択は手術です。

手術方法は腫瘍の数・位置・広がりによって変わります。

・腫瘍のみ切除(局所切除)
・乳腺部分切除
・片側乳腺全摘出
・両側乳腺切除(段階的)

乳腺はリンパ流でつながっているため、単純なしこり摘出では再発率が高くなる場合があります。

腫瘍専門医では「リンパ流を考慮した切除範囲」を重視します。

猫の乳腺腫瘍が特に危険な理由

猫では進行が非常に早い特徴があります。

・小さくても悪性度が高い
・浸潤性が強い
・肺転移が早期に起こる

研究では、

腫瘍径
2cm未満:予後良好

2〜3cm:中等度

3cm以上:予後不良

と明確な関連が示されています。

つまり「小さいうちの手術」が生存期間を大きく左右します。

抗がん剤治療は必要?

以下の場合に検討されます。

・悪性度が高い
・リンパ管侵襲あり
・転移疑い
・猫の乳腺癌

犬さんでは症例選択が重要ですが、猫さんでは術後化学療法が推奨されるケースが多くあります。

目的は完治ではなく、再発・転移の遅延です。

飼い主様ができる早期発見

月1回の「お腹チェック」が最も重要です。

触り方のポイント
・優しく指の腹でなぞる
・左右を比較する
・米粒サイズでも受診

2週間様子を見る、は推奨されません。乳腺腫瘍は「待たない腫瘍」です。

腫瘍専門獣医師として伝えたいこと

乳腺腫瘍は、早期なら治せる可能性が高い腫瘍、遅れると全身疾患になる腫瘍という二面性を持ちます。

特に猫さんでは「しこり=緊急性あり」と考えてください。

そしてもう一つ重要なのは、

避妊手術は繁殖制限ではなく、がん予防医療であるという視点です。日常のスキンシップが、命を救う早期発見につながります。

まとめ

・犬さんでは約半数、猫さんでは大半が悪性です

・診断には病理検査が必須です

・治療の中心は外科手術です

・猫さんは特に早期対応が重要です。

・月1回の触診が命を守ります

気になるしこりを見つけた際は、「様子を見る」のではなく、できるだけ早く動物病院へご相談ください。

ハグウェル動物総合病院 横浜鶴ヶ峰院の体制

セカンドオピニオン設置

ハグウェル動物総合病院では、腫瘍疾患に直面した飼い主様と動物さんに、より良い選択をしていただけるよう セカンドオピニオン外来 (専門診療の腫瘍科、中津 央貴獣医師)を設けています。

腫瘍は種類や進行度によって治療方法が大きく異なり、外科手術・化学療法・放射線治療・緩和ケアなど多様な選択肢があります。そのため、診断や治療方針について複数の視点から検討することが大切です。

当院ではCTなどの高度画像診断を用い、腫瘍の性質や広がり、転移の有無を的確に把握したうえで、専門的な知見をもとに治療方針をご提案いたします。セカンドオピニオンを通じて、飼い主様が納得し、安心して治療に臨んでいただけることを第一に考えています。

横浜市から川崎・大和エリアまで、地域の皆さまの“かかりつけ”として、安心の獣医療をお届けします。

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