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【獣医師監修】犬さんの冬場の咳、本当に大丈夫?

【循環器診療】森山 寛大

【担当科目】総合診療科・循環器科

 

 

【循環器診療】佐藤 貴紀

【担当科目】総合診療科・循環器科・栄養管理科

 

 

—寒い季節に増える咳の原因と“受診すべきサイン”を獣医師が解説—

冬になると「最近よく咳をする」「散歩の後にゼーゼー音がする」というご相談が増えます。

“咳”は一見すると風邪のように見えますが、犬さんでは心臓・気管・肺・感染症など、さまざまな原因で起こるサインです。特に冬は気温低下・乾燥・運動量の変化などが重なり、呼吸器・循環器の病気が悪化しやすい季節です。

本ブログでは、冬場に注意すべき咳の種類と危険なサイン、家庭でできる観察ポイント、動物病院での検査について詳しく解説します。

冬に咳が増える理由とは?

① 空気の乾燥で気管が刺激されやすい

冬は湿度が低下し、気管や喉の粘膜が乾燥します。

乾燥した粘膜は炎症が起きやすく、少しの刺激でも「カハッ」「ケホッ」と咳が出やすくなります。

② 冷たい空気が気道を収縮させる

寒い外気を吸い込むことで、気道が一時的に狭くなります。

特に以下の犬種では症状が出やすい傾向があります:

  • 小型犬(チワワ、ポメラニアン、トイプードルなど)

  • 気管虚脱の既往がある子

  • 高齢犬・肥満傾向の子

③ 冬は持病が悪化しやすい季節

  • 心臓病(僧帽弁閉鎖不全症など)

  • 気管虚脱

  • 慢性気管支炎

  • 猫の喘息・気管支炎

寒さと乾燥がこれらの疾患を悪化させ、咳につながることも多いです。

咳のタイプで分かる原因の違い

① ガーガーと “ガチョウの鳴き声” のような咳 → 気管虚脱の可能性

  • 興奮時、散歩中、抱き上げた時に出やすい

  • 小型犬に多い

  • 悪化すると呼吸困難を起こすこともあります

② ゼーゼー息が苦しそう(呼吸促迫)

→ 心臓病のサインかもしれません

特に犬さんでは、僧帽弁閉鎖不全症などの悪化で咳が出ることがあります。

心臓が肥大し、気管を圧迫して咳が出たり、肺に水が溜まり始めると命に関わる状態になることもあります。

③ 湿ったようなゴホゴホ → 肺炎・気管支炎

  • 元気がない、発熱、食欲低下を伴う場合は要注意です。

  • 感染性の病気も冬に増加します。

*<注意>咳だけで、完璧な病名を特定することはできませんが、あくまでも鑑別の1つとしての考え方です

“受診すべき”危険なサイン

以下の症状がある場合は、早めの受診をおすすめします。

  • 連日の咳が続く(3日以上続く場合は要相談)

  • 寒い場所→暖かい場所で急に咳き込む

  • 興奮後に咳が止まらない

  • 呼吸が速い、浅い、努力している

  • 体からゼーゼー/ヒューヒュー音がする

  • ぐったりしている、食欲が落ちている

  • 舌が紫色・灰色になる(チアノーゼ)※緊急です!

咳は「様子見」で悪化することもあるため、早期発見が重要です。

ご家庭で観察してほしいポイント

診察時に役立つ観察ポイントをまとめました。

✔ 咳が出るタイミング

(興奮時、就寝前、散歩中、朝だけなど)

✔ 咳の音(乾いた咳・湿った咳・吐くような咳)

✔ 呼吸数

安静時の呼吸数

  • 犬:15〜30回/分(正常呼吸数)

✔ 動画の撮影

咳の動画があると、診断の精度が格段に上がります。

冬にできる咳の予防ケア

  • 部屋の湿度を45〜60%に保つことが望ましいです

  • 寒い日は無理に長時間散歩をしない

  • お散歩時はハーネスを使用し、首の圧迫を避ける

  • 体重管理(肥満は心臓・呼吸器に大きな負担)

  • シニア期なら冬前の健康チェックをおすすめします

特に心臓病・気管虚脱の既往がある子は冬前の定期検査が安心です。

まとめ

冬場の咳は「よくあること」と思われがちですが、実は重大な病気の初期サインであることも少なくありません。

  • 冬は乾燥・寒さで咳が増えやすい

  • 咳の音やタイミングで原因が推測できる

  • 危険サインがあればすぐ受診が必要です

  • 寒い季節こそ、持病のある子は要注意です

「最近咳が増えたかも?」と感じたら、早めにご相談ください。冬を安心して過ごすために、私たち獣医師がお手伝いいたします。

ハグウェル動物総合病院の体制

セカンドオピニオン設置

今回の咳か、くしゃみか、逆くしゃみかの判断がわからないケースなど、的確な診断が必要な場合は、ハグウェル動物総合病院の循環器科をご予約ください。症状に対して迅速な対応を行います。

必要な検査として身体検査、血液検査、心エコー検査、レントゲン検査、心電図検査、血圧検査などを実施して、原因を特定し適切な治療を行います。

早期発見をしながら、どのタイミングで、どの投薬が望ましいのか、循環器認定医としっかり相談し決定することをお勧めいたします。

また、専門診療の循環器科(森山 寛大 獣医師・佐藤 貴紀 獣医師)を設けているため、セカンドオピニオンの受け入れも行っております。

横浜市から川崎・大和エリアまで、地域の皆さまの“かかりつけ”として、安心の獣医療をお届けします。

ご予約・ご相談はお気軽に!

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