【腎泌尿器科診療】室 卓志 獣医師
【担当科目】総合診療科・腎泌尿器科・消化器科
「最近、水をよく飲む気がする…」「トイレの回数が増えた?」
そんな変化に気づいたら、それは大切なサインかもしれません。
犬さんや猫さんの“多飲多尿”は、体のどこかで異常が起きているサインであり、放っておくと深刻な病気につながることがあります。
多飲多尿とは?
下記記載の量は、Ettinger & Feldman(2017)、Nelson & Couto(2020)、DiBartola(2012)、IRIS(2019)など国際的に広く用いられている成書に基づきます。
- 多飲(ポリディプシア):普段より明らかにたくさん水を飲むこと
- 犬さん:多飲=100ml/kg/日以上
- 猫さん:多飲=50ml/kg/日以上
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多尿(ポリウリア):尿の量やトイレの回数が増えること
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犬さん:多尿 = 50 mL/kg/日以上
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猫さん:多尿 = 40〜50 mL/kg/日以上
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この2つはセットで起きることが多く、水をたくさん飲むから尿が増える場合もあれば、尿が増えるために体が水分を欲しがる場合もあります。
よくある原因
多飲多尿の背景には、以下のような病気が隠れていることがあります。
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ホルモンの異常
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糖尿病(犬さん・猫さんどちらにも多い)
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副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群/犬さんに多い)
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甲状腺機能亢進症(特にシニア猫さんでよくみられる)
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腎臓のトラブル
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慢性腎臓病(特に猫さんに多い)
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急性腎障害や腎盂腎炎
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泌尿器・感染症
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子宮蓄膿症(避妊していないメス犬に多い)
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尿崩症などまれなホルモン性疾患
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放っておけない理由
多飲多尿は命に関わる病気の初期サインであることもあります。
初期のうちに発見できれば治療効果が高く、腎臓やホルモン疾患も早期管理で進行を抑えられます。
飼い主さんができること
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水を飲む量やトイレの回数を数日間メモしておく
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体重減少、食欲不振、毛づやの低下など他の変化もチェック
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気づいたら早めに動物病院へ相談する
まとめ
多飲多尿は“年齢のせい”ではなく、体のSOSサインです。
早期の受診と検査で、病気を見逃さず大切な家族の健康寿命を守りましょう。
セカンドオピニオン設置
下部尿路疾患の症状に対して迅速に対応し、必要な検査(血液検査・尿検査・レントゲン・超音波・CT検査など)を実施して、原因を特定し適切な治療を行います。
特に「頻尿」「血尿」「尿が出ない尿閉」などのケースでは、早期の処置が非常に重要です。
また、専門診療の腎泌尿器科(室 卓志獣医師)を設けているため、セカンドオピニオン、さらには重症化した下部尿路疾患や慢性腎臓病など、長期的なケアが必要なケースの受け入れを行っております。
横浜市から川崎・大和エリアまで、地域の皆さまの“かかりつけ”として、安心の獣医療をお届けします。
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