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【獣医師監修】犬さんや猫さんの尿管結石とは?〜原因・症状・治療・予防まで〜

 

【腎泌尿器科診療】室 卓志 獣医師

【担当科目】総合診療科・腎泌尿器科・消化器科

 

こんにちは。ハグウェル動物総合病院 横浜鶴ヶ峰院の獣医師 室卓志です。

今回は、犬さんや猫さんに見られる「尿管結石(にょうかんけっせき)」についてお話しします。腎臓と膀胱をつなぐ“尿管”に石が詰まるこの病気は、命に関わることもある重大な疾患です。早期の気づきと適切な対応がとても大切です。

尿管結石とは?

尿管結石は、腎臓から膀胱へ尿を運ぶ細い管「尿管」に結石(尿の中のミネラル成分が結晶化した石)が詰まる状態です。完全に詰まってしまうと、尿が流れなくなり、腎臓の働きが急激に悪くなる「腎後性急性腎障害」になる恐れもあります。

主な原因

  • 食事のミネラルバランスの乱れ(マグネシウム、カルシウム、リンなど)

  • 尿のpH異常(アルカリ性・酸性どちらにも偏りすぎると結石ができやすくなります)

  • 先天的な代謝異常や遺伝的素因

  • 脱水状態や慢性的な膀胱炎

尿管結石は、犬、猫ともにシュウ酸カルシウム結石が大部分を占めており、犬では70~80%、猫では90%以上がシュウ酸カルシウム結石と言われます*。多くは腎臓で作られた結石が尿管に移動することで尿管結石となります。その他の結石にはストルバイト(リン酸アンモニウムマグネシウム)結石尿酸塩結石が見られます。

ACVIM Small Animal Consensus Recommendations on the Treatment and Prevention of Uroliths in Dogs and Cats:J P Lulich, et al J Vet Intern Med. 2016 Sep;30(5):1564-1574.

よくある症状

尿管結石は一見、わかりにくいことが多いのですが、以下のようなサイン(症状)が見られることがあります。

  • 元気・食欲の低下

  • 嘔吐・吐き気

  • お腹や腰回りを触ると嫌がる

  • 頻尿・血尿・尿が出にくい(膀胱炎と誤解されることも)

  • 急にぐったりしてしまう

特に両側の尿管が詰まってしまった場合は命に関わる緊急疾患となります。

片側の場合は何も症状がみられない場合もあり注意が必要です。

<尿管結石>

診断方法

尿管結石の診断には、以下のような検査を行います。

  • レントゲン検査:結石の位置や数、大きさを確認

  • 超音波検査:結石の位置や数、大きさの確認、腎臓の腫れ(腎盂拡張)や尿管の評価、尿の流れの異常を評価

  • 血液検査:腎機能(BUN、クレアチニンなど)、電解質(緊急性の判断)の確認

  • 尿検査:潜血、結晶の有無、pHなど

より精密な検査にはCT検査が有用です。麻酔が必要なことがありますが、小さな結石や位置関係も詳細に把握できます。

当院では超音波検査を中心に詳細に診断しております。

治療方法

症状や結石の場所・大きさによって治療法は異なります。

保存的治療(内科的)

  • 食事療法(処方食で結石を溶かしたり再発を防ぐ)

※シュウ酸カルシウム結石は溶解困難

  • 点滴療法(脱水改善と尿量確保)

※点滴の入れ過ぎは過水和となり状態を悪化させる危険性あり

  • 鎮痛剤、抗菌薬投与
  • 尿管拡張薬、消炎剤投与

※結石が小さい場合は移動して改善する可能性あり

※ただし、詰まりがひどい場合や片腎機能が失われている場合は内科的治療では限界があり、悪化させることがあります

外科的治療

  • 結石摘出手術:尿管切開術+尿管膀胱新吻合術

  • 尿管ステント設置

  • 皮下尿管バイパス術(SUBシステム)

近年では尿管ステント設置はほとんどされておらず、SUB(サブ)と呼ばれる人工尿管システムは人工物であるため術後の長期的な合併症や管理が必要です。

尿管切開術は尿管結石の基本的な外科治療ですが、尿管切開部位を広げて尿管と膀胱を繋ぎ合わせる(吻合する)ため小さい結石は膀胱に排石されやすく、再発予防にも有効です。

当院では基本的には尿管膀胱新吻合術を実施し、人工物に頼らない治療を実施しております。

<尿管切開で出てきた、比較的大きい尿管結石>

※注意:ご注意ください

以下のリンク先には、手術の実際の様子を示す写真が含まれます。医学的な情報提供を目的としていますが、出血などが苦手な方は閲覧をお控えください。

<尿管と膀胱の吻合後の写真>

※注意:ご注意ください

以下のリンク先には、手術の実際の様子を示す写真が含まれます。医学的な情報提供を目的としていますが、出血などが苦手な方は閲覧をお控えください。

 

予防のポイント

  • 獣医師と相談しながらバランスの取れた食事を選ぶ

  • 水分摂取をしっかりさせる(ウェットフードの活用も効果的)

  • 定期的な尿検査・超音波検査で早期発見

  • 冬場など脱水が起きやすい時期は特に注意

最後に

尿管結石は、放置すると命に関わることもある“サイレントキラー”です。飼い主さんのちょっとした気づきが、愛犬・愛猫の命を救います。

「最近なんとなく元気がない」「トイレで様子がおかしい」と感じたら、ぜひ一度ご相談ください。ハグウェル動物総合病院では、超音波検査やCTなどを用いた精密な診断と、内科・外科の両面からの治療を行っています。

動物さんの快適な毎日のために、チーム一丸となってサポートいたします

ハグウェル動物総合病院 横浜鶴ヶ峰院の体制

セカンドオピニオン設置

下部尿路疾患の症状に対して迅速に対応し、必要な検査(血液検査・尿検査・レントゲン・超音波・CT検査など)を実施して、原因を特定し適切な治療を行います。

特に「頻尿」「血尿」「尿が出ない尿閉」などのケースでは、早期の処置が非常に重要です。

また、専門診療の腎泌尿器科(室 卓志獣医師)を設けているため、セカンドオピニオン、さらには重症化した下部尿路疾患や慢性腎臓病など、長期的なケアが必要なケースの受け入れを行っております。

横浜市から川崎・大和エリアまで、地域の皆さまの“かかりつけ”として、安心の獣医療をお届けします。

 

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