獣医師が解説する「薬浴」とは?
~正しく知って、正しく活用するために~
皮膚が赤く、痒がっている、フケやベタつきが増えた——そんな時、「薬用シャンプーで薬浴をした方がいいですか?」とご相談を受けることがあります。
しかし、薬浴は単なる“薬用シャンプーでの洗浄”ではなく、獣医療の一環として行う皮膚治療のひとつです。
獣医師監修のもと、薬浴の正しい知識をお伝えします。
目次
薬浴とは?
薬浴とは、獣医師が診察・診断したうえで、治療目的に応じた薬用シャンプーを使い、皮膚疾患の改善や症状緩和を行う入浴ケアです。
犬や猫の皮膚は薄く、環境や体質によって炎症や感染が起こりやすいため、内服や外用薬と並んで重要な治療手段のひとつとなります。
薬浴で使用するシャンプーは、皮膚の状態や原因に応じて成分が異なります。
代表的なシャンプー
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抗菌作用のあるシャンプー(膿皮症などの細菌感染):ノルバサンシャンプー0.5%濃度
- 抗菌作用のあるシャンプー(膿皮症などの細菌感染):ノルバサンサージカルスクラブ2%濃度
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抗真菌作用のあるシャンプー(マラセチア性皮膚炎):マラセブシャンプー
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角質ケアや保湿成分を含むシャンプー(脂漏症や乾燥性皮膚炎):アデルミル、ケラトラックス
こうした薬用シャンプーの選択と適切な使用法は、皮膚疾患の診断がなければ決めることができません。
どんなときに必要なの?
以下のような症状がみられる場合は、自己判断で薬浴する前に必ず動物病院で診てもらいましょう。
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痒みや赤みがある
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脱毛している
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フケや皮脂が目立つ
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悪臭がある
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湿疹やかさぶたができている
皮膚疾患の原因は感染、アレルギー、ホルモン異常などさまざまで、診断によって治療法も異なります。
誤ったシャンプー選びや洗い方は、かえって悪化させてしまうことがあります。
どこでやってもらえるの?
薬浴を実施できるのは、以下のような場所です。
動物病院
診察・皮膚検査後に、治療計画の一部として獣医師の指示で実施します。経過観察や検査を併せて行えるのが特徴です。
もちろん、当院においても診察後に薬浴を行なっております。ハグウェルトリミングはこちら
獣医師提携のトリミングサロン
獣医師の処方や指示に基づき、薬浴が可能なサロンもあります。こうしたサロンでは、トリマーが獣医師と連携して経過を共有しているケースが多く、安心です。
安全に、効果的に行うために
- 必ず獣医師の診断を受け、原因に合った薬用シャンプーを選日ましょう
- 獣医師の指示に従い、適切な頻度・方法で行う
- 皮膚の変化があれば再診してもらう
薬浴は治療の「補助」であり、単独で完治するものではありません。多くの場合、内服薬や食事療法、環境管理と併用します。
まとめ
薬浴は、獣医療に基づいた皮膚治療の一環です。自己判断で市販の薬用シャンプーを使ったり、サロンで勧められるままに行ったりするのではなく、必ず獣医師に相談してから行いましょう。
健康な皮膚を取り戻し、快適に過ごせるよう、獣医師とトリマーが一緒にサポートいたします。
皮膚のトラブルに気づいたら、まずは病院へ。早期発見・早期ケアが大切です。
ハグウェルトリミングの体制
薬浴対応可能トリミング
- 診察及び皮膚科専門診療をお受けいただき、トリマーが対応いたします
- シャンプーは当院で処方、もしくは他院にて処方のシャンプーをお持ちいただければ行うことができます
- ナノバブル、泡パックなど皮膚のケアのオプションも各種取り揃えております
横浜市から川崎・大和エリアまで、地域の皆さまの“かかりつけ”として、安心のトリミングをお届けします。
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