毎年春先に、動物病院からフィラリア症予防のDMが届くと思いますが、理由として季節的に暖かくなってくることにより、蚊や外部寄生虫が活性化してくるため予防の季節をお伝えしたいからなのです。最近では、地球温暖化の影響も受け、投与時期が通年投与や早まっている地域も見受けられます。さらに、室内犬だから大丈夫?と思いがちですが、そんなことはありません!日本にはフィラリアを媒介する蚊が16種類もいると言われています。室内さらには散歩中など、いつ蚊に刺されてしまうかはわかりません。
フィラリア症は危険な病気ですが、動物病院できちんと予防することでしっかり予防できると言われています。
今回は、フィラリア症の感染経路や症状について理解を深め、愛犬を守っていただけると幸いです。
フィラリア症の感染経路
通称フィラリア症(犬糸状虫症)は、フィラリアという長さが15~30cmの寄生虫が犬の体内(心臓や肺動脈付近)に寄生することで発症し、心臓や肺へ悪影響を起こす感染症です。フィラリアの感染経路は、感染している犬さんに蚊が吸血し、蚊の中で感染幼虫まで成長します。その感染幼虫を体内にもつ蚊に刺されることで犬さんの体内に侵入します。犬さんの体内に侵入した感染幼虫は、皮下組織や筋組織で約半年をかけて成虫となり、最終的に心臓や肺動脈に寄生するのが特徴です。予防期間としては、感染して2ヶ月以内でないとフィラリアの薬による駆除は行えません。
フィラリアの成虫はミクロフィラリアというフィラリアの赤ちゃんを生み出します。しかし、ミクロフィラリアは単体では成虫になることができず、一度蚊の体内に入り込むことで感染幼虫となります。そのため、蚊を媒介してフィラリア症の感染が拡大していくのです。
日本にはフィラリアの感染幼虫をもつ蚊が16種類いると言われています。
フィラリア症の症状
犬さんの体内に入り込んだフィラリアの感染幼虫は、徐々に成長し、やがて成虫となり、最終的に心臓や肺動脈付近に寄生します。実はフィラリア症になった犬さんでも、寄生しているフィラリアの数が少ない場合や、感染初期の場合は、症状がみられないため、感染が見過ごされることが多いのです。よって、フィラリア症は長期間の寄生により症状が出始めると言われております。
なら、ちょっとくらい感染しても平気なのでは?と思いがちですが。寄生したフィラリアが万が一、肺や心臓に悪さをして突然死となるケースもあるため、油断は禁物です。
また、体内に寄生しているフィラリアの数が多ければ多いほど、症状は重篤です。
フィラリア症だけに見られる症状というのは特にありませんが、よく見られる症状として
などです。もし、思い当たる症状が見られる場合は、すぐに動物病院へ受診しましょう。
今回の内容で伝えたいこと
・地域によって、投与期間が変わってきているので注意が必要
・フィラリアの予防期間は、蚊に刺されて感染してから2ヶ月以内(なので、毎月忘れずに投与)
・フィラリアは犬さんから蚊に感染し、また犬さんに感染する
・フィラリア症にだけ出る症状はないが、突然死を起こすこともあるので予防は必須
最後に
フィラリア症の予防が犬さんの寿命を延ばしたと言っても過言ではないため、しっかりと予防することをおすすめします。