【専門診療】中津 院長
【担当科目】総合診療科・神経科・腫瘍科
ある日突然、愛犬がけいれん(てんかん発作)を起こした。初めてその場に居合わせた飼い主さんは、驚きと不安でいっぱいになり、「一体何が起きたの?」と慌てて動物病院に駆け込まれました。
しかし、実は多くの発作には“予兆”ともいえる前ぶれの行動やサインが見られることがあります。あらかじめそれらを知っておくことで、冷静に備えたり、安全な環境を整えたりすることができるのです。
目次
発作の流れと「前兆」の重要性
発作には、大きく分けて以下の3つの段階があります。
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発作の前触れが現れる「前兆期」
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実際にけいれんや意識障害が起きる「発作期」
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発作が収まった後の「回復期」
今回はこの中でも、最も気づきにくい「前兆期」に焦点を当てて解説します。
発作前によく見られる行動や変化
以下のような症状や行動が、発作の前兆として多く報告されています。
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落ち着きがなく、部屋をうろうろと歩き回る
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同じ場所をぐるぐると旋回する
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飼い主のそばを離れず、不安そうに見つめてくる
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部屋の隅や暗い場所などに隠れようとする
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普段よりも明らかによだれの量が増える
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口をくちゃくちゃ動かす、空嚥下(口の中に食べ物や飲み物がなく、唾液を飲み込む動作)のような仕草が見られる
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名前を呼んでも反応が鈍く、ぼんやりしている
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一点をじっと見つめて動かない、目が泳いでいる
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えづくような仕草や軽い嘔吐が見られる
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顔や耳、足先などの筋肉がピクピク動く
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身体が小刻みに震えている(気温は関係ない)
なぜ前兆が現れるのか?
発作は、脳の神経活動の異常な興奮が原因です。その興奮が発作として全身に現れる前に、情動や感覚を司る脳の部位に影響が出ることで、「不安」「ぼんやり」「異常な動き」などの行動変化として表れることがあります。
この前兆は、発作の種類や脳のどの部分が影響を受けているかによっても異なります。
前兆を見たとき、飼い主様ができること
発作前のサインを見つけたら、次のような対応を意識してください。
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周囲に危険なもの(角のある家具や段差)がないか確認する
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落ち着ける静かな場所に移動させる(明るさを落とすなど)
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発作が起きるかもしれないと想定して、スマートフォンで動画を準備しておく
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発作の開始時刻、持続時間をメモする
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不必要に触ったり、大声を出したりせず、静かに見守る
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事後、行動の様子を記録し、動物病院で共有する
最後に:大切なのは「気づく力」と「備えること」
発作やけいれんはとてもショッキングな出来事ですが、前兆に気づいておくことで、事前に落ち着いた対応ができる可能性が大いに高まります。
「なんとなく様子がいつもと違う」と感じたときは、些細なことでも構いません。ぜひその感覚を信じて記録し、ハグウェル動物病院に相談してください。それが、正確な診断と今後の治療方針にとって大切な手がかりになります。
ハグウェル動物総合病院 横浜鶴ヶ峰院の体制
セカンドオピニオン設置
神経症状に対して迅速な対応を行います。
必要な検査として神経学的検査(反応・歩様など)、血液検査、CT(脳構造評価)、(理想的には)脳波検査、CSF(髄液)検査、MRI検査を実施して、原因を特定し適切な治療を行います。
特に「けいれん」「発作」「失神」などのケースでは、的確な診断が非常に重要です。
また、専門診療の神経科(中津 央貴獣医師)を設けているため、セカンドオピニオン、さらには繰り返すけいれん発作など、治りが悪い症状の受け入れを行っております。
横浜市から川崎・大和エリアまで、地域の皆さまの“かかりつけ”として、安心の獣医療をお届けします。
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